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記事2003年12月23日 1920号 (2面) 
私立大学情報教育協会臨時総会
著作物の権利処理事業稼働へ
情報教育方法研究発表で埼玉医大表彰
  私立大学情報教育協会(戸高敏之会長)は十一月二十五日、東京・市ヶ谷の私学会館で第三十四回臨時総会を開いた。大学情報環境基本調査や電子著作物権利処理事業などについて報告した。同事業は来年三月にシステムが完成し、当面は実験的な運用を行う。ほかに、平成十五年度全国情報教育方法研究発表会の受賞者を表彰した。

 開会に先立ち、九月に行った同発表会で優れた教育方法として選考された、協会賞の埼玉医科大学などを表彰した。発表会は教育方法の改善に努める教員の教育業績の外部評価などを目的に実施し、今年は応募百一件の中から、三件が入賞した。優秀な研究は論文誌『情報教育方法研究』やホームページに掲載し、公開する。
 著作権処理事業についても報告。著作権処理事業とは、大学関係者間での権利処理の代行と、企業・関係機関等と大学間での権利者情報の提供、利用許諾情報の仲介などで、電子著作物の権利の保護や、円滑な利用の促進などを目的とする。具体的には、オンラインでの大学間権利処理代行システムや、企業・団体などの著作権者・利用許諾情報の提供と仲介、著作権についての相談などを予定している。
 同事業には▽著作権処理がオンラインで自動化できる▽企業・関係機関等の権利者に関する情報を入手できる▽電子著作物の作成に不安がなくなるなどの利点があるという。今後は実験的な運用を行い、来年十月ころの加盟大学間での実施を目指す。
 このほか、同協会が昨年十二月から今年一月にかけて実施した大学情報環境基本調査の発表があった。調査は大学三百十九校(回収率九七・六%)、短期大学百五十一校(八二・五%)を対象に行い『平成十四年度版私立大学情報環境白書』にまとめた。
 調査によると、「自学実習のためのeラーニング環境への取り組み」は「全学的な実施」と「一部学部学科での実施」を合わせて、大学九十二校、短大二十一校。三年後に実践を計画している大学は百五十五大学もあり、今後三年間で二倍近く拡大する可能性がある。短大では、大学併設の短大の四割が実施を検討している。
 実施内容では、自習用の教材、小テストを組み合わせたシステムによる事前事後学習の強化や、学生の到達度把握などが多い。また、大学十七校、短大九校が、学生個々の学習履歴を把握し、到達度に即した学習指示等を含む学習管理システム(LMS)等を活用している。
 ほかに、私立大学等における高度情報化推進のための補助制度の説明や、会議と研修会の報告、新会員大学の紹介などがあった。
 【平成十五年度全国大学情報教育方法研究発表会】
▽私立大学情報教育協会賞=「臨床医学自己学習のためのマルチメディアシミュレーションシステムの開発」椎橋実智男・鈴木美穂(埼玉医科大学医学情報施設)森田孝夫・大野良三(同大学医学教育学室)
▽奨励賞=「英語学習用チャットにおける学習者コーパスとコンピュータ・ティーチング・アシスタント」原田祐貨(関東学院大学経済学部)安田智宏(同大学情報科学センター)
▽「学内LANを活用した統合型学習システムの構築」副島和彦・近藤雅人・阪本泰光・城丸瑞恵・中谷千鶴子・本江朝美・佐藤満・鈴木久義・鳥原真紀子・山田秀樹・中山貞男(昭和大学保健医療学部)
▽文部科学大臣賞=該当無し
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