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記事2003年11月3日 1913号 (2面) 
日短協の教務担当研修会
地域総合学科で坂田氏講演
栄養教諭への意見確認
  日本私立短期大学協会(川並弘昭会長=聖徳大学短期大学部理事長・学長)の平成十五年度私立短大教務担当者研修会が十月二十二日から三日間、福岡市内のホテルで開かれた。学校教育法の改正やコミュニティ教育などを題材に、講演やパネルディスカッション、グループ別研修などを開き、当面する課題に理解を深めた。
 はじめに、坂田正二・教務研究委員長(呉大学短期大学部理事長・学長)が短大をめぐる最近の問題について語った。坂田委員長は「アメリカの大学生のうち、フルタイムの学生は三分の一。残り三分の二はコミュニティカレッジの学生である。このことを考えると、短大にもまだまだ可能性は残っている」などと地域総合学科について話した。
 このほか、十月十四日に「栄養教諭免許制度の在り方に関するワーキンググループ」へ提出した意見について報告。「栄養士は栄養士法、栄養教諭は教職員免許法に基づいて養成すべきである」という日短協の意見を確認し、家庭科教員について触れた文書を後日、追加するとした。
 授業料返還訴訟については、「入学辞退」を当てにしていた利益が入らない「逸失利益」ととらえ、保証金を徴収し、入学後に授業料へ振り当てる対応を検討していると報告した。
 二日目は、パネルディスカッション「コミュニティ教育を考える」を開いた。坂越正樹氏(広島大学大学院教授)をコーディネーターに、丸岡充氏(文部科学省高等教育局大学課短期大学係長)や坂根康秀氏(香蘭女子短期大学長)、谷川幸雄氏(北海道浅井学園大学短期大学部長・人間総合学科長)がパネリストを務めた。
 坂根氏は、香蘭女子短期大学のライフプランニング総合学科について発表した。同学科は家政、秘書、国際教養の三学科を統合して新しく設置したもので、八単位ごとのユニット制を導入している。半期ごとにまとまった知識を得ることができ、年齢やニーズが多様な社会人にも対応できる利点がある。
 坂根氏は社会人を受け入れるための課題として、PR不足と経済的な問題を挙げ「アメリカのコミュニティカレッジのほとんどは公立なので授業料を低く設定できるが、日本の私学では難しい。しかし、社会人を引き受ける意欲はあり、今後も取り組みたい」と話した。
 同研修会は高等教育の変化に的確に対処する能力を育成することを目的に、年一回開いている。教務を担当する職員が対象で、今年は全国の加盟短大から三百十人が出席した。
 内容は二部で構成し、一部では宮田裕州氏(文科省高等教育局高等教育企画課大学設置事務室課長補佐)や廣兼孝信氏(広島文化短期大学助教授)などが講演。二部では、教務経験年数ごとにグループに分かれ、短大設置基準や教務事務などについて詳しく検討した。

短大教務の情報を交換した研修会

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