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記事2003年11月3日 1913号 (3面) 
短期大学パイオニア (4) ―― 文化女子大学短期大学部
文化祭は教育成果発表の場
学生と教員が協同作業
  東京・新宿駅南口に近い甲州街道沿いでは、十一月三日の文化の日に地域の名物となった文化祭でにぎわう。
 文化女子大学と同短大部の広場がキャンパス再開発によって街道とつながり、通行人は文化祭(学園祭)の模擬店がずらりと並ぶ前をお祭り見物するような形で散策を楽しめるからだ。近所の主婦はこの日バザー会場の前に長い列をつくる。服装系のバザー会場では洋服やエプロン、造形系の会場ではマフラー、指輪、ブローチなどが飛ぶように売れていく。市販より安いこともあるが、実習授業で学んだ技術によりをかけたオリジナルな手作り製品の評判がいい。ここの文化祭の特徴は特色ある専門教育の内容を世間に発表してその評価を問うことを目的とし、学生と教職員が協同作業で作りあげる「コラボレーション&クリエイション(連携協同と創造)」をモットーとしている。短大創設の翌昭和二十六年に第一回を行い、大学設立後は共催の形をとって、今年で五十三回目を迎える文化祭である。
 文化祭実行委員会も学生と教職員の連携協同によって構成される。プログラム、パンフレット作成、講演会、模擬店は学生が担当するが、その他は学生と教職員の協同作業という役割分担の組織体制が確立している。前記学生作品バザーのほかに行事としては次のようなものがある。
 ◇教科展示=短大、大学の教育課程の全容を展示・公表する最も特徴的な企画だ。
 服装領域では服装造形学科のファッションクリエイティブコースや被服科学コース、ファッション画など二十一室、造形領域では生活造形学科の工芸コースや住環境学科の建築デザインコース、短大生活造形学科インテリアデザインコースなどの二十二室、文学領域では国際文化学科や健康心理学科の三室。合計四十六教室を使って展示する大がかりなもので、進学を考える高校生にも参考になる。専攻の学生が説明役を務める。

伝統のファッションショー
仏・米国など海外公演も


 ◇ファッションショー=「企画集団FUSE」という学生クラブ主催の学生自身による手作りファッションショーは今年で二十三回目を迎える。服装系だけでなく全学三系統の学生三百人が協力、舞台づくりは住環境、ポスターづくりは生活造形の学生が担当と、すべてを学生の力で実行している。ファッションショーはビデオに撮り、新入生の歓迎会や高校生向け進学フェスタで流している。
 また文学部に国際ファッション文化コースを開設した機会にその教育成果を公表する形で同コース主催でスタートしたファッションショーも行われる。このショーは文化祭で好評を得たことからフランス、アメリカなどで海外公演を実施するほどになった。
 ◇玄関モニュメント=文化祭を象徴する玄関のモニュメントは造形系教員と学生有志の協同制作で、約一カ月かけて完成される。その創作過程は机上の勉強だけでは得られない貴重な体験となる。
 ◇大学グリル=文化祭の食事の場所となる大学グリルは平常は科学実験室だが、同学科の学生が文化祭用にグリルとしての室内装飾に工夫を凝らし、年ごとに多彩な雰囲気となっている。教員の指導のもとで一カ月かけて完成される。調理は調理実習指導教員の指導を受け受講学生が「晴れの文化祭用食事提供の場」として腕によりをかけてつくる。なおバザーやグリルの収益金は例年、災害地や発展途上国の支援に寄贈されている。
 ◇留学生スピーチコンテスト=文化学園は韓国、中国、台湾、インドネシア、フィリピンなどの八カ国、三百七十人の留学生(大学院では六割)が在籍し、国際色豊かな環境をつくっているが、この留学生の日本語会話能力上達を支援するためのスピーチコンテストを開き、優秀な弁論には賞が贈られている。

企画集団FUSEによるファッションショー

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