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記事2003年11月3日 1913号 (11面) 
建学の精神公私立の役割分担重視
勤続15年の中堅教諭対象に研修
東京私中高協私学教育研
 東京私立中学高等学校協会(酒井A会長東京女子学院中学高校長)と東京私学教育研究所(堀一郎所長)は八月八日から十日までの三日間にかけて、東京・市ヶ谷の私学会館で中堅現職研修を開催した。この研修はおおむね勤続十五年前後の、三十歳代後半から四十歳代前半で、これからの私学教育を担う人材を対象としている。
 初日は酒井会長の講話、麴町学園女子中学高等学校カウンセラー・鼓品二郎氏の実習「エンカウンター」、政治評論家・岩見隆夫氏の講演、二日目は青山学院大学法学部・山崎敏彦教授や、アジレント・テクノロジー株式会社の成松洋・代表取締役社長の講演など、三日目はワークショップなどが行われ、研究討議は三日間を通して行われた。
 このうち、酒井会長は「私立学校をとりまく状況について」の講演の中で「根本的に考えることは、国公私立の役割分担があることを重視してほしい。各学校の創立者の建学の精神を考え、創立者の生きざまを調べてほしい」とし、「日本の心をくみ取って教育に携わってほしい」と力説した。
 また、岩見氏は「永田町のこれから」と題し、民主党と自由党の合併、イラクへの自衛隊派遣の問題、小泉総理の政治改革などについて解説した。小泉氏については、つき・気力が備わり、そして外交的にある程度の成功を収めていることを評価しつつ、「人間的な面で人気があるのではないか」と評した。
 二日目に行われた山崎氏の講演「学校事故と危機管理」では、学校をめぐる事故についての学校責任、教師の安全配慮義務などについて言及した。
 また、「昨年度参加者からの提言」と題し、昨年度参加者によるディスカッションが行われた。ここでは「情報交換の場として、有効だった」「後輩教員への積極的アプローチや指導を心掛けるようになった」とする感想が出された一方で、「学校の行く末が心配」「自分の役目が分からない」「改革についていけない教員がいる」「授業の準備が後回しになっている」「世間で通用しないものの考え方をしている教員がいる」などの厳しい意見も出された。
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