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記事2003年11月13日 1915号 (1面) 
教員養成部会で免許制度の輪郭明らかに
栄養教諭の専修、一種免許状 管理栄養士相当の専門性必要
養護教諭 同等の教職科目
専門学校の扱い課題に
  小・中学校等で食育教育の中核を担う「栄養教諭」の免許制度の輪郭が、十一月十日、明らかになった。それによる免許状の種類は、専修(大学院修士修了程度)、一種(大学卒業程度)、二種(短大卒業程度)の三種類とし、加えて専修、一種免許は管理栄養士相当の、二種免許は栄養士相当の専門性を必要とし、養護教諭と同程度の教職科目修得を求めている。現職の学校栄養職員には免許取得に軽減措置を設ける方針だが、栄養教員の性格については、なお委員間で隔たりがある。

 これは、同日の中央教育審議会教員養成部会で、同部会内の「栄養教諭免許制度の在り方に関するワーキンググループ」が審議の中間状況を報告したもの。今後二回審議を重ね、十一月二十八日に審議結果を同部会に報告する。近く初等中等教育分科会でも栄養教諭の在り方を検討する。
 この日、ワーキンググループが報告したのは「栄養教諭養成・免許制度の在り方について」(報告)の骨子案。わずか三ページ足らずの簡単なまとめだが、栄養教諭の免許状の種類及び養成の在り方、栄養教諭の上位の免許状等の取得のための方策、学校栄養職員に対する措置などについて基本方針を示している。
 このうち栄養教諭の免許状の種類については、他の教諭等と同様、三種類とし、同教諭の職務内容に給食の管理等が含まれているなどから臨時免許や特別免許状は設けない方針。また養成は大学での養成課程を基本としたことから、専門学校等での学修の取り扱い(専門学校等でも学校栄養職員を養成している)については今後検討する。専門学校等に関しては教職科目取得の点で懸念する意見があったが、文部科学省は大学での教職科目修得を示唆した。
 さらに上級免許状の取得に関しては、在職期間(三年程度)に加え、認定講習等、教職員検定を経て取得できる措置が必要としており、二種免許については一種免取得の努力義務を課すが、在職年数等に応じて単位数の軽減を図る方針。一方、現職の学校栄養職員が栄養教諭になる道も開き、教員免許状の有無や在職年数等に応じ修得単位数等の軽減措置を講じる。
 こうした報告に委員からは、「管理栄養士か栄養士か、あまりこだわらないほうがいい。中心は子供や家庭の栄養指導だ」「どういう時間にどういう内容の指導をするのか明確ではない。個別指導が中心となるならカウンセラー的な資質を重要視してほしい」とする一方、専門性の重視を求める意見も聞かれた。具体的に養成段階で何を何単位修得させるのかなどは示されていない。栄養教諭と他の教科の教員との関係によっても修得すべき科目等に影響が出そうだ。
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