こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2003年11月13日号二ュース >> VIEW

記事2003年11月13日 1915号 (5面) 
卓越した能力ある子供対象に特別枠
都教委、中高一貫教育校入学者決定方法で最終報告
校長の裁量を尊重 一月上旬出願、中旬までに検査
  東京都教育委員会は十月九日「中高一貫教育校の入学者の決定方法に関する検討委員会」についての最終報告を発表、この中で、校長裁量を尊重した入学者決定方法や卓越した能力を持つ子どもの受け入れなどを基本的方向としたうえで、「併設型中学校および中等教育学校(前期課程)」「併設型高等学校」「連携型高等学校」に分けて、出願日・検査日、入学者の決定方法などをまとめた。都教委では平成十四年十月「都立高校改革推進計画・新たな実施計画」を策定し、十七年度から二十二年度までに十校の中高一貫六年制学校を設置することを決めた。

 【入学者に関する基本的方向】
 都立中高一貫教育校がそれぞれの教育理念に基づいて特色ある都立学校として発展していくためには、校長裁量を十分生かし、自校の特色に応じた具体的な方法を定めるものとしている。
 また、特定の教科や文化・スポーツの分野等に卓越した能力を持つ子どもに対し、才能教育を行うことは都民の期待に応えるとし「都立中高一貫教育校が、目指す学校像や育てたい生徒像を明確にしたアドミッションポリシー(入学者受け入れ方針)を示し、こうした子どもの受け入れを行うことは極めて大切なことである」として、卓越した能力を持つ子どもの受け入れに対しては、積極的な姿勢を示している。
 【併設型中学校および中等教育学校(前期課程)の入学者決定方法について】
出願資格は、小学校卒業見込み者で、保護者とともに都内に住所を有する者で、都内全域から募集する。入学者決定のための検査日(一般枠募集)は、二十二年度までに設置する都立中高一貫教育校十校同一とし、「出願は一月中旬とし、入学者決定に係る検査については、一月下旬から二月上旬に行うことが望ましい」としている。卓越した能力を持つ子どもを対象とした検査日(特別枠募集)については、一般枠募集より早め「一月上旬に出願、一月中旬までには検査の実施および結果の発表を行うことが望ましい」とし、その理由を綿密な指導計画を立てる必要性からとした。入学者の決定方法については、一般枠募集では報告書(調査書)のほかに面接、作文、適性検査(筆答検査)、実技検査を適切に組み合わせて実施することとする。特に適性検査は自分自身で問題を発見し、学ぶ意欲や適性などをみるものとし、「学習指導要領に示された教科の目標に即した学習内容の理解度や達成度をみる学力検査とは一線を画する」。
 特別枠募集での検査方法については、卓越した能力についての具体的な基準や募集人員数を明確に示す必要があるとし、具体例として英語検定等の検定、都教委児童・生徒等表彰、新聞社等企業主催科学賞等における受賞、都児童生徒発明くふう展、都のスポーツ大会での上位入賞などを挙げている。報告書(調査書)のほか、面接、作文、実技検査の中から各都立中高一貫教育校が適切に選択し総合して決める。
 【併設型高等学校の入学者選抜について】
推薦に基づく選抜の実施方法(調査書点の満点、傾斜配点の有無、面接点の満点、自己PRカードの満点、作文、小論文、実技検査の有無と満点)については校長が決定、学力検査に基づく選抜では、調査書点、学力検査の得点、自己PRカード点、面接点などの結果を総合した成績とする。

17年度、台東地区中高一貫六年制開校

 十七年度に都立の中高一貫教育校として初めて開校する台東地区中高一貫教育校について、このほど同計画検討委員会が基本計画をまとめた。
 全日制課程の都立白−高等学校を改編し、同校の伝統や教育実績を踏まえ、併設型の中高一貫六年制学校とする。育てたい生徒像として(1)高い知性と豊かな教養を身につけ、開拓精神に富み、さまざまな場面や分野でリーダーとして活躍する生徒(2)高い志をもって意欲的に学び、自らの能力や適性を生かし、活力をもって進路希望を実現する生徒(3)日本の伝統文化を理解し、世界の中の日本人としてのアイデンティティをはぐくみ、国際社会で活躍する生徒、を挙げている。中学校と高等学校の合計で三十学級(千二百人)の規模を予定。中学校は各学年四学級(百六十人)、高等学校は各学年六学級、(二百四十人)とし、高等学校段階で二学級分(八十人)の募集を行う。これによって、十八年度以降、順次、中高一貫校が開校されていくこととなる。
記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞