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記事2003年11月13日 1915号 (7面) 
新校長インタビュー (89) ―― 香蘭女学校中学・高等学校
校長 横内 允氏
品性と知性を磨く
主体性身につけ自己啓発学習実施


  香蘭女学校中学高等学校(東京都品川区)、豊かな緑に囲まれた静かな環境に位置しており、校門を入ると、緑におおわれた築山の通路が風情をかもし出している。
 「品性と知性の教育をし、品格のある学校を目指したい」と言い切るのは横内允校長だ。同校は、英国国教会に属する聖職議会と国王の勅許によって創立された「福音伝播協会」が創立したミッションスクール。
 キリスト教に基づく教えのもとに、生徒は自分がどのように生きるのかを自己決定するよう導くことで、人と社会のために貢献する女性の育成が教育方針となっている。
 「教育方針を実現するために、どのような勉強が必要なのか、自分をどのように向上させることができるのかといったことを考えることが、品性、知性を高めることにつながると思います」
 毎週行われる聖書の時間や毎朝の礼拝の時間の中で、キリスト教の教えを自分の中に取り込み、品性を磨くのに役立てる。
 知性の面では「自分を見失うことなく、主体的にものを考え行動する基本姿勢の確立が、何よりも重要です」と基本的な考えを示す。このための新しい取り組みが、来年四月から始まる「自己啓発学習(SE学習=SELF ENRICHMENT STUDY)だ。
 生徒に主体性を身につけさせる試みはさまざま考えられるが、「自分の現実を見つめるような指導が、教師から強くなされた上で、生徒が自分には今何が必要かを判断させる」ことが狙いだ。
 自己啓発学習は全教科を基本に少人数で中学二、三年から、毎週百分授業でまず始められる。テストのために勉強するのではないから点数評価はしない。単なる「選択」の授業でもなく、また受験のための詰め込みでもない。生徒が自分に何が必要かを考え、自分に必要なもの、自分がやりたいものを見つけ出して学習する習慣をつけさせることだ。「これによって身につけた意欲と能力があれば将来、社会に出ても、自信を持てるのではないか」と横内校長。
 例えば、テーマによっては校外での研究も行う。進路が遅れている生徒は一週間の中で取り戻すようにする。英国から宣教師を招き、英語で聖書の授業を行うことも考えている。
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