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記事2003年10月3日 1906号 (7面) 
大学情報化全国大会開く
サイバーキャンパスの実現
大学でのeラーニングの可能性
デジタルコンテンツの動向など討議
  私立大学情報教育協会(戸高敏之会長=同志社大学工学部教授)は九月九日から三日間、東京・市ヶ谷の私学会館で平成十五年度大学情報化全国大会を開いた。「サイバーキャンパスの実現に向けて」をテーマに講演会や事例紹介を行い、大学でのeラーニングの可能性と限界や、デジタルコンテンツ標準化の意義、動向などについて理解を深めた。
 教職員による教育や支援環境への情報技術活用の発表、企業による情報関連技術の動向紹介などで、関係者に情報を提供することが目的。同協会加盟の私立大学のほか、国公立大学の教職員など約三百人が出席した。
 初日は、開会で戸高会長が「人材の育成には大学の使命が大きい。私情協では大学の教育や研究の質的な向上に、情報化の視点から支援している。中でも、情報化を進める上で重要な著作権の問題には著作権処理機構をつくり、今年度から試験的に運用したい」などとあいさつした。
 基調講演では、青山学院大学経営学部教授の玉木欽也氏が「e―Learningの実現に向けて――大学におけるe―Learningの可能性と限界」をテーマに話した。
 玉木氏は「私たちは教師として、どうやって学習効果を上げるかを考え、コンテンツの改善を続けなければいけない」と述べ、eラーニングの特色を生かすには▽教える側と学ぶ側の意識改革▽支援環境の充実▽継続的な教育システムを構築・運用するための制度と組織体制づくり、が大切とした。
 事例紹介では、文教大学湘南情報センター長の宮川裕之氏などが講演。
「学習状況の測定と学習支援のためのe―Learningの活用」をテーマに、大学での取り組みを話した。宮川氏は、コンピューターに授業内容を蓄積するオンデマンド型の単位認定授業の実践について報告した。「eラーニングの活用は『測定』『反省と改善』『一人ひとりを伸ばす』がキーワードとなる。学習進行管理システムで学生の学習状況を測定。成績不振者には勉強の仕方や学習の面白さを伝授するなど、一人ひとりに対応した学習支援をしている」などと語った。
 二日目は、各大学の担当教員が「コンピューターによる外国語自習プログラムについて」など六十八件を発表。IT(情報技術)を活用した日ごろの教育活動について情報を交換した。
 三日目は、企業がデジタルペーパーや携帯端末などの技術動向を発表。あわせて開いた展示会には、株式会社システムディや株式会社理経など三十八社が出展した。学園事務トータルシステムやeラーニングツールをテーマにしたソフトウエアなど、最新の技術が関心を集めていた。
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