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記事2003年10月23日 1910号 (2面) 
中教審、栄養教諭免許制度で意見聴取
日短協・私大団体連 栄養教諭は必置要請
私大団体連 養成課程に関する意見発表の場を
日短協は免許は養護教諭と同様に
  中央教育審議会初等中等教育分科会教員養成部会の「栄養教諭免許制度の在り方に関するワーキンググループ」(主査=平出彦仁・中部大学人文学部長)は十月十四日、東京・霞が関の東海大学校友会館で第二回会合を開いた。栄養教諭免許制度のあり方について、日本私立短期大学協会など関係団体からの意見を聴取した。免許制度のあり方や創設について、各団体の意見が分かれる結果となった。

 意見聴取は全国指定都市教育委員教育長協議会と中核市教育長連絡会、全国連合小学校長会、全日本中学校長会、日本教育大学協会、日本私立大学団体連合会、日本私立短期大学協会、全国学校栄養士協議会、全国栄養士養成施設協会の九団体を対象に行った。
 このうち、私大団体連では▽栄養教諭の配置は任意ではなく、各校最低一人の必置を目標とする▽養成課程のあり方を取りまとめる際には、再度意見発表の場を付与するなどを要望した。教育についての資質は養護教諭よりも保健科教諭の例を参考にすることや、管理栄養士相当の能力を確保することなどを求めた。
 日短協は▽栄養教諭は必置▽免許状は現行の「養護教諭科目の単位の修得方法」と同様に専修・一種・二種の免許区分のもとに行うなどの考えを示した。同協会の川並弘昭会長は「栄養教諭は管理栄養士とは異なるという視点から意見を述べたい」として、栄養教諭の資質向上は養成期間の長短ではなく、短大の教育課程と現職教員の研修制度の充実や免許状の上進制度に求めるべきであるとした。
 全国栄養士養成施設協会は▽栄養教諭は必置▽免許状は専修・一種・二種のいずれかで可とした。専門学校の卒業生は栄養士・管理栄養士の資格があっても、栄養教諭として就職できないことから、専門学校での教員免許取得制度を併せて求めた。
 このほかの団体からは、免許状の種類について▽専修と一種に限定▽二種を交付し、その後の勤務成績を勘案して一種を交付▽二種以上、栄養士の免許が最低条件。一種と管理栄養士相当の資質を併せ持つことが望ましい▽基礎資格を管理栄養士とするなどの意見があった。
 現在の学校栄養職員への対応としては▽認定講習会などで免許を取得する▽学校栄養士としての経験を考慮して取得単位の軽減を図る▽どの程度の指導を実績とするかはあいまい。公平性の原則から該当する科目の履修が望ましいなどの意見があった。
 食に関する指導の充実には▽家庭科教諭でも可能▽特別非常勤講師での活用でも問題はない▽学校栄養職員の全校配置が先決などの意見もあった。
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