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記事2003年10月23日 1910号 (9面) 
新校長インタビュー (88) ―― 昭和女子大学附属昭和中学・高等学校
校長 渡辺 満利子氏
“世の光となろう”校訓に
教師の教育力向上を


  多発する青少年の事件や犯罪。子どもたちを取り巻く環境が原因ではないか。教育に問題はないか。中教審をはじめ、有識者の間でも数年前から議論が交わされている。
 「いま、私立学校に注目が集まる理由には、こうしたご父母の不安もあるのだと思います」と、渡辺新校長は指摘する。
 渡辺満利子氏は十月、昭和女子大学附属昭和中学・高等学校(東京都世田谷区)校長に就任した。同大学大学院教授と短期大学部食物科学科長も兼務。中学生から大学院生までと触れ合い、広い視野で中学・高校の教育を考えることができる。
 「社会に有為な人間を育(はぐく)むために、中学・高校が担う役割は大きいと感じます。学校は単に知識を授けるのではなく、お互いに驚き合い、成長する場であるべきです」
 学園の目標は「世の光となろう」。同校では校訓三則「清き気品」・「篤き至誠」・「高き識見」を掲げる。全人教育を標(ひょう)榜(ぼう)し、推進してきたことで知られている。
 「徳育・知育・体育のバランスがとれた人間を育むため、独自のカリキュラムを用意しています。例えば、中学一年から高校二年までの縦割り組織『朋友班』活動、幼稚園児を世話する『幼稚園庶務』は、他に例のない体験学習の場です」
 生徒はこうした活動で、豊かな人間性や自主自律精神を身につける。
 「他人への思いやりや協調性などを、体験から学ぶ機会だと思います。核家族化が進み、地域社会が弱体化した現代では、貴重な存在でしょう」
 学力面も、今後はさらに充実させる計画だ。
 「生徒たちの実力をつけること、そのために興味を持って取り組める課題を与えること」を目標に、さまざまな刺激を中学・高校に注ぎ込む。
 「就任後すぐに教師一人ひとりの熱意を感じました。この教育力をさらに高めるため、授業法の工夫だけでなく、制度やカリキュラムも大胆に再構築していきます」
 まず、語学カリキュラムの見直しに着手。内容は、習熟度別クラス編成、補習支援、他教科授業の英語導入など、大幅な見直しを行っている。
 「今後も、新たな試みにチャレンジします。大学の施設利用や相互乗り入れなど、幼稚園から大学院までが揃(そろ)う学園の魅力を存分に発揮したいと考えています」
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