高度情報化時代を迎え、変革の世紀といわれておりますが、長びく経済不況は全く光明が見出せないまま推移し、企業の倒産、失業が相次ぎ、遂に失業率は戦後最悪の事態となりました。またその影響を受けてか窃盗、強盗、殺人といった凶悪犯罪もあとを絶ちません。こうした社会情勢の中で、今最も求められているものは、人間性豊かな創造力に富む人材育成であります。このため中央教育審議会は教育改革の根幹をなす教育基本法および教育振興基本計画に関する論議に入り、私学側は民主主義国家における私学の存在は重要な意義をもっているもので、当然、学校教育における私学の位置づけを明確に規定すべきであると強く訴えました。具体化に向けての審議はこれからですが、問題が山積しております。
　二十一世紀を担う教育は、私学が長年培ってきた。「真の教育」実現にあることはますます明らかとなりました。
　この時にこそ私学に対する振興基盤の財源措置、教育費の公私間格差の是正、高等教育機関の教育・研究費の格差を解消してこそ、わが国が国際社会に伍していける人材育成が可能になるわけで、具体的施策に向けて強く望まれるところであります。
　全私学新聞（浅田敏雄代表）は、「私学は一つ、教育は私学から」の大旆のもとに、私学振興の目的達成に尽力致す所存です。今年も私学の魅力ある教育を内外にアピールすると同時に、教育、経営に関する資料提供、画期的な企画でご期待に応えてまいります。皆様のご支援ご協力をお願い申し上げます。