政府は昨年十二月二十日に平成十四年度一般会計補正予算案を閣議決定し、近く開会の平成十五年通常国会に提出する。補正予算案のうち、文部科学省の予算総額は二千九百三十億円。
　このうち、（１）経済・社会構造の変革に備えたセーフティ・ネットの構築に二千三百四十六億円が、（２）構造改革推進型の公共投資の促進〜魅力ある都市・活力ある地方の再生に向けた基盤整備に五百八十四億円が充てられている。
　（１）のセーフティ・ネットの構築では、▽育英奨学事業の充実（意欲ある人材に対する経済的支援策としての奨学金の充実）三十二億円（ほかに財投から五十九億円）▽イノベーション・新産業創出のための大学等の研究基盤施設等の整備（大学、研究所等の先端的研究施設・設備の整備など）五百六十六億円▽経済活性化に資する研究開発プロジェクトの推進（重点四分野を中心とした実用化のための研究開発プロジェクトなど）八百二十六億円▽地域科学技術の振興等産学官連携施策の強化（知的クラスター創成事業、研究成果の実用化支援事業など）二十九億円▽学校施設等の耐震整備（耐震補強など安全対策に配慮した公立学校、大学等教育研究施設の整備など）八百二十四億円▽情報化時代に対応した人材育成基盤の充実（公立学校の校内ＬＡＮ、大学等の高度情報基盤の整備など）六十九億円が、その事業内容。
　（２）の公共投資の促進では、▽地域の特色ある企業の支援、シーズ開発、起業へとつなげる産学官連携拠点の整備（大学等施設、研究成果活用プラザの整備）二百七十四億円▽地域の魅力・活力を高める文化施設等の整備（ナショナル・ギャラリー[仮称]、九州国立博物館[仮称]の整備など）百二十七億円▽地域の防災力向上のための大学病院施設、地震観測網等の整備百八十三億円が、事業内容となっている。
　これらの予算のうち私学関係では三つの設備整備関係事業（総額二十五億円）が計上された。
　その内容は次の通り。
　▽私立大学の研究基盤の整備に係る先端的研究設備の整備事業（予算額十億円）。大学における五百万円（図書は百万円）以上、四千万円未満の事業が補助対象。補助率は三分の二以内。
　▽私立大学等におけるＩＴ環境の整備に係る情報処理関係設備整備事業（予算額三億円）。大学、短大、高等専門学校の一千万円以上の事業が補助対象。
　▽私立高等学校等ＩＴ教育設備整備推進事業（予算額十二億円）。高校、中等教育学校、中学校、小学校、特殊教育学校を対象に、各教科等で私学の特色を生かしながらのＩＴ教育実施のための設備整備補助。五百万円以上四千万円以下の事業が補助対象。補助率は二分の一以内。