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記事2003年1月3日 1877号 (2面) 
中央教育審議会の審議動向 留学生部会を新設
日本人学生の海外留学支援など審議
外国人留学生受け入れ新体制協議
  中央教育審議会大学分科会は、留学生政策について専門的な審議を行う留学生部会を新たに設置、昨年十二月二十五日、東京・霞が関の経済産業省別館で初会合を開いた。この日は留学生交流関係施策の現状について文部科学省から説明があった後、委員間で自由討議を行った。部会長には木村孟委員(大学評価・学位授与機構長)を選任した。
 同部会では十万人を超える外国人留学生に対応した受け入れ体制と留学生の質の確保の在り方、日本人学生の多様なニーズに対応した海外留学の支援の在り方などを審議していく。
 文科省からは資料に基づき、昨年五月時点の留学生の受け入れは百六十一の国・地域から九万五千五百人であり、過去最高を記録したこと、留学生の出身国は九一・六%がアジア出身であり、中でも中国が大幅に増加したことなどの説明があった。また、留学生交流施策の現状については、正規の私費留学生に対して、授業料減免措置を講じた私立大学などの学校法人に対し、授業料の三割を限度に実施しているといった取り組みや、十六年四月に、現在、実施主体が別個に複数分かれている日本人学生・留学生支援施策についてこれを総合的に行う新たな学生支援機関を設立する予定であることについて説明があった。
 自由討議では、私立大学が受け入れている留学生は私費留学生が圧倒的に多いことから、学費減免に対する国の対応を検討すべきだと求める意見が出たほか、日本に来た留学生の多くは一、二年、日本語を勉強し、その後、約七割の学生が高等教育機関に進学するという実態を踏まえ、留学生に対する日本語教育の問題を検討課題として取り上げるべきだとの意見も出た。
 木村部会長のほかの同部会の委員は次の通り。
【委員】
 ▽内永ゆか子・日本アイ・ビー・エム株式会社常務取締役
 ▽中嶋嶺雄・アジア大平洋大学交流機構国際事務総長
【専門委員】
 ▽五百旗頭眞・神戸大学大学院法学研究科教授
 ▽猪木武徳・国際日本文化研究センター教授
 ▽荻野アンナ・慶應義塾大学文学部教授
 ▽小林陽太郎・富士ゼロックス株式会社代表取締役会長
 ▽佐藤弘毅・目白学園理事長
 ▽佐藤次郎・財団法人国際学友会理事長
 ▽下村満子・健康事業総合財団(東京顕微鏡院)理事長
 ▽白石隆・京都大学東南アジア研究センター教授
 ▽鳥飼玖美子・立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科教授
 ▽平野次郎・NHK解説委員(学習院女子大学客員教授)
 ▽宮崎幸雄・財団法人ロータリー米山記念奨学会常務理事・事務局長
 ▽宮田清藏・東京農工大学長
 ▽森泉豊榮・東京工業大学大学院理工学研究科教授
 ▽森田嘉一・京都外国語大学理事長・総長
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