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記事2003年1月3日 1877号 (2面) 
大学設置基準改正要綱案示す
届け出で可能な学部学科審議
将来構想部会
  中央教育審議会大学分科会の将来構想部会は昨年十二月二十四日、東京・霞が関の経済産業省別館で第十六回会合を開いた。昨年八月の中教審答申を受け、文部科学省から大学設置基準の改正要綱案、大学院設置基準の改正要綱案が示された。また、届け出で設置が可能な学部・学科についての案を審議したが、一部の委員からはこの案について答申の精神から逸脱していると指摘する声が上がった。
 大学設置基準等要綱案については、▽教員組織について、年齢構成の均衡が取れているものとする、とした▽学長の資格を定めた▽収容定員の適正な管理が行われるよう定めた▽学部・短大でもサテライトキャンパスの設置が可能となるように、大学は授業を校舎または附属施設以外の場所で行うことができるように定めた▽教員組織、校舎などの施設・設備については段階的に整備することができるよう、設置基準上明確にしたなどのポイントが文科省から説明され、委員からはおおむね了承を得た。
 届け出で設置が可能な学部・学科については、文科省案では例えば工学部に機械工学科、電気学科の二学科を設置している大学が建築学科を設置する場合のように、当該分野の範囲内で新たな学部・学科を設置する場合は届け出とする、などと定められている。
 こうした考え方について、これは設置認可行政の大転換につながるとの観点から、こういう学部があれば新たに学部・学科をつくる能力があるとみなすのは、放任状態にするのと同様だとし、専門分野別の評価活動が当分行われない中、質の担保について実質上受け皿がないところで、ここまで踏み込んだことをすべきではないという指摘があった。また、これに関連して、新たな学部・学科設置の届け出を不可とした場合のことを考えると、例えば大学設置・学校法人審議会に回すなど、届け出に対して、何か新しい「装置」を付与することを考えていいのではないか、との意見もあった。
 このほか、専門職業と密接に関係する栄養学の分野について、最近の管理栄養士養成の現実などを踏まえ、文科省案で示された、届け出で設置が可能な十七の学問分野のいずれにも加えることができず、独立した分野として扱うことが適当であるとの指摘もあった。
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