こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2003年1月23日号二ュース >> VIEW

記事2003年1月23日 1878号 (2面) 
特区における既成緩和方向性示唆
大学、大学院 設置基準改正審議
【将来構想部会】

 中央教育審議会大学分科会の将来構想部会の第十七回が一月十四日に開催された。今回は大学、大学院設置基準の改正、届け出で設置が可能な場合についての案件、認証基準(細目)等についての審議がなされた。
 大学、大学院設置基準について「構造改革特別区域(特区)においては、地域の集積が高い等の特別の理由があって、大学、大学院の教育・研究に支障が生じない場合には、校地面積を減ずることができるとすること」について主に審議された。「大学院は運動場などの必要も認められないこと等から、校地を定義しなくてもよいのではないか」との意見が委員から提案された。校舎や土地は私学にとっては大切な資産であるが、これからの教育を考える上で、例えば、校地がゼロでもかまわないという可能性も含んでいる。つまり、貸しビルを借りて大学院の設置も特区においては可能となる。ユビキタスの時代の教育について考える必要があるということだ。これは特区における規制緩和の方向性の一つの目安となるものだろう。さらに、「収容定員の適正管理」「学長の資格」等について審議された。
 また「大学等の設置等の条件」の「同一設置者内の大学における申請年度から過去四年間の入学定員超過率の平均が学部単位で、当面一・三以上の場合は、原則として大学等の設置及び主要定員増は認めない」とする基準について、委員からは「これまでは超過率は一・五だったことから規制が強化される方向ではないか」と危惧する意見も出された。
 さらに、認可ではなく「届出で設置が可能な学部・学科」について、「届出設置に関わるスキーム」が参考資料として、提案されたが、委員からは「学校が届出をすれば、すぐに学生の募集を公示してもよいのか」といった問題が指摘された。また、専門職業と密接に関連する、看護学や栄養学などの分野について、細分化して考えていくべきかどうか、教養についてどのように考えるべきかについて議論がなされた。
 認証基準については「大学から認証評価を求められたときには、正当な理由がある場合を除き、遅滞なく、評価を行うものであること」「大学が評価結果に影響を及ぼす基本的事項を変更した場合、適切な措置を講ずるものであること」「大学評価の実績その他により認証評価を公正かつ適確に実施すると見込まれるものであること」等について、具体的な認証基準を記載する必要があるのではないかという委員の発言もあった。
記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞