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記事2002年9月3日 1857号 (6面) 
学校安全・健康教育研究会
東京私学研 東京中高協
高校生に講義と実技
救急法、看護中心に
 東京私学教育研究所(堀一郎所長)はこのほど、東京・市ヶ谷のメヂカルフレンドビルで、養護教諭らを対象に学校安全・健康教育研究会(学校保健)「講演会」を開催した。
 講師はアクス・ヒューマン・ケア取締役研修相談室長兼アルコール薬物問題全国市民協会副代表の水澤都加佐氏。水澤氏は「援助者のためのセルフケア」と題して、教師、養護教諭、学校カウンセラー等が陥りやすい「もえつき症候群」(バーンアウト)の背景から予防対策まで講演した。バーンアウトとは「エネルギーや感情、力量などを過度に使いすぎることによって起きる身体的、感情的消耗状態のこと」(水澤氏)を言い、最近、学校現場で教師自身がかかっているケースが多いという。
 これは(1)理想と現実のギャップ(2)自分の内面と他人の外面を比べ、自分を非難するなど、「多くは自分のコントロールができない状況にかかりやすく」、怒りっぽくなったり、疑い深くなったりする症状が見られてくる。このもえつきのピークは仕事を始めて、一―三年たったときといわれている。
 水澤氏はこれに対する予防として、「自分の境界を設定し、過剰な責任を引き受けない」「仕事と私生活との区切りをつける」「十分な休暇をとる」「周囲の問題に責任を持つのではなく、自分の健康と幸福に責任をもつ」などを挙げた。

 東京私立中学高等学校協会(酒井A会長=東京女子学院中学高校長)は八月五日から八日までの四日間、東京・新宿の日本赤十字社東京都支部で平成十四年度夏季赤十字救急法、家庭看護・介助員養成講習会を実施した。この日、救急法講習会には約六十人、家庭看護・介助養成講習会には約三十人の高校生が参加した。
 救急法講習を受ける生徒たちは救急法について、同支部の指導員から包帯・骨折・急病・運搬などの講義科目を、また包帯について骨折の固定法等の止血法、人工呼吸法など実技を通して学んだ。一方、家庭看護・介助員養成講習を受ける生徒たちは、「くらしの中の看護、寝具とからだの移動、食事とくすり、排泄のお世話、身体の清潔、洗髪と寝衣の交換、手当てのしかた・痴呆性老人の理解等」について講義および実技を学んだ。
 同支部は明治二十年十月に設立され、今年で創立百十五年を迎えた。災害救護、国際活動、医療、血液など多くの事業に取り組んでおり、夏季講習会は講習普及事業の一環として行われている。
 家庭看護・介助員養成講習会の二日目の授業では、午前中に「からだの移動」「車イスでの移動と歩行の介助」、午後から「からだの清潔」「食事」などについて実技練習が行われた。「からだの移動」では、被介助者を動かす時の注意事項として、本人のできる方法を選ぶこと、目的や手順を説明する、安全を確認する、本人の動きを活用する、本人に無理のない方法を活用する、および不自由な側はできるだけ下にしないなどが確認された。
 まず指導員が見本を見せ、安定した座り方、起き上がるための準備運動の仕方から始め、被介助者の膝を立てる・足を伸ばし・上げる・足首を動かす・首を左右に振る・手を持ち上げるなどの一連の練習を行った。
 「車イスでの移動と歩行の介助」では、車イスを使用する前の点検、安定した姿勢で座らせる、およびコミュニケーションを図ることの重要性などを学んだ。半身麻痺の人をベッドから車イスに乗せたり、障害物を乗り越えたり、坂の上り下りの練習などを行った。


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