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記事2002年9月3日 1857号 (11面) 
新校長インタビュー (62) ―― 千代田女学園中学・高等学校
校長 藤澤 正徳氏
人権感覚を深く豊かに
14年度から多くの補習始まる
 千代田女学園中学・高等学校(東京都千代田区)は親鸞聖人の教えを建学の精神に掲げ、明治二十一年に設立された。その百十余年の伝統を持つ中学高校長に藤澤正徳氏が就任した。
 「私は十四年間、浄土真宗本願寺派の相談員として命の大切さを学んできましたが、学校の校長に就任するとは夢にも思いませんでした」と驚く。
 藤澤校長は建学の精神に裏付けられた教育理念として、(1)生徒の側に立って共に歩むこと(2)人権感覚を大事にすること(3)自他共に命を大切にし、自立した女性を目指すことの三つを挙げた。
 「生徒と教師の関係は学ぶ側、教える側という関係ですが、これだけでは教師は生徒の悩みや苦しみを同じ土俵で受け止めてやるという視点が欠けています。授業内容を常に点検評価見直し、生徒一人ひとりを大事にしていきたい」
 また同和問題に取り組んできた藤澤校長は、差別をしない、させないことが、人間として最も大切であると説き「人のいたみに共感できる感性(人権感覚)を深く、より豊かに育てていく」と強調。
 同校では六年間を基礎課程(中学一、二年)、発展課程(中学三、高校一年)、充実課程(高校二、三年)の三つのブロックに分けているが、今年度から多くの充実した補助学習が始まった。
 「0時限授業」では生徒が登校する前に、特に授業での理解が十分でない生徒が三十分講習を受ける。「ミニテスト」では週に三回、国語・数学・英語のテストを行う。国語では漢字力、数学では計算力、英語では単語力の定着を図る。「寺子屋学習」では中学一、二年生の家庭学習の習慣を身につけさせるために放課後補習を行う。「朝の読書」は本を読む楽しさを分かり、自己の視野を広げるために始められた。
 同校では仏教教育を根底に、心を育てる教育を実践している。その一つの表れが「聞思堂」だ。ここは生徒が気持ちを静め、自分一人で考えたい場合、昼休みなどの時間に自由に利用されている。「私は命の大切さを知り、人権意識を持つ必要性を説いていきますが、さまざまな機会を利用して、生徒の生の声を聞いていきたい」と藤澤校長は熱く語る。
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