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記事2002年9月23日 1860号 (1面) 
大学改革も検討
経済財政諮問会議が今後の方針決める
私学への寄付制度見直し
義務教育費国庫負担削減も
政府の経済財政諮問会議(議長=小泉純一郎首相)は、九月九日、総理官邸で会合を開き、八月末に行った歳出改革に関する集中審議で取り上げた義務教育(国庫負担制度等)の見直し等の課題について、今後の取り扱い方針を決めた。このうち義務教育費国庫負担問題は、国と地方の税財源配分の見直しなどとともに、「中心的に掘り下げて議論を行う事項」とされた。中心的に掘り下げて議論を行う事項ではないが、「大学改革等」や「研究開発」等も今後、検討していくことになった。大学改革では今年度から始まった「トップ30施策」の見直しを、研究開発では私学に対する寄付制度を平成十五年度税制改革の中で見直していく見通し。

 義務教育費国庫負担問題に関しては、先の集中審議で遠山敦子・文部科学大臣が、来年度から四年間に五千億円の国庫負担金削減を行うなどの改革を行うものの、義務教育の水準確保という制度の根幹は保持していく方針を表明。これに対して片山虎之助・総務大臣らが一般財源化などを強く求めたことから、結論に至らず、国庫負担削減案に関しては具体的プランを提示して検討すること、国庫負担制度の抜本的な見直しについては引き続き議論していくこと、一般公務員と教員の関係見直し(人材確保法等)、教育委員会の在り方の見直しが、今後の課題となっていた。
 これらの事項に関しては、十月から十一月にかけて地方分権改革推進会議の報告と歩調を合わせて方向性を審議し、審議結果を「予算編成の基本方針」「改革と展望」に反映する。来年度から実施できるものは、来年度予算に反映させる方針。
 また国と地方の補助金、交付税、税源配分の三位一体改革は、地方分権改革推進会議の報告と歩調を合わせて方向性を審議することにしている。
 具体的には、関係大臣による事務事業見直し案、国庫補助負担金の廃止・縮減案を審議し、それを踏まえて国庫補助金、地方交付税、税源配分の三位一体の改革にどうつなげていくか、特に十五年度予算で改革の芽をどう出すかを審議する。その結論を「予算編成の基本方針」「改革と展望」に反映させる。来年一月以降は三位一体の改革工程表作りに取り組み、六月に作成する。
 このほか十月から十一月にかけて、大学改革では大学・大学院の設置緩和(校地面積基準等)、トップ30施策の見直し(市場や第三者機関による大学評価)、国立大学の法人移行に向けた詳細なスケジュール、大学の自立的経営に関するモデル提示などが検討される見通し。
 経済財政諮問会議の論議を大きく左右する地方分権改革推進会議では、九月十二日に文部科学省から義務教育問題等でヒアリングを実施、現在も各省ヒアリングを続けている。
 報告のとりまとめは十月中とみられており、そのほか総合規制改革会議などと合わせ、十月から十一月が構造改革の今年の山場となる。
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