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記事2002年9月23日 1860号 (5面) 
世界に通用するベンダー資格
マイクロソフト社MCP資格トレーニング校
年間実績優秀校表彰
専門学校2校の取り組み状況
世界に通用するベンダー資格を学生に取得させて企業社会のニーズに直結する人材を育成する動きが加速しているが、マイクロソフト社のMCP資格トレーニング校(MS AATP)の年間実績優秀校として表彰を受けた専門学校二校の取り組みを紹介する。

 トライデントコンピュータ専門学校
 一九八四年に「名古屋情報処理専門学校」として開校し、現在、情報処理学科、高度情報学科、パソコン実務学科、ゲームサイエンス学科、情報システムプロ学科など十学科を設置している。

 導入の狙い・経過・背景
 狙いは、(1)教育内容の標準化(2)教材の質向上
(3)教員のスキル維持。一九九九年夏に行われたMS AATPの説明会から同年十二月まで、わずか三カ月という短期間ですばやく導入できた理由は、すでにMCPを取得していた講師が三人いたことと、MS AATPは参加費用が無料だったということ。導入後は、講師のMCP受験費用や講習会費用は学校が全額負担するなど、スキルアップをサポートしている。
 一方、教室の運用や他の授業とのバランス調整にはひと工夫を要した。現在、MS AATPは二年制課程の情報処理学科、三年制課程の高度情報学科で必修選択となっている。
 背景にあるのは、やはり就職活動に資格の有無が大きく影響していること。企業にも認知度の高いMCP資格を取得すれば、学生が自信を持って就職戦線に臨めるからだ。そのために、学校内でのMCP受験ができるAuthorized Academic Testing Center(AATC)の認定も受けている。
 開催可能コース五種類、コース開催回数十一コース、受講学生輩出数も二百人以上という実績を残し、授業数、受講者人数、講座の種類、資格取得の実績の面で高い評価を受け、二〇〇二年のMS AATPアワードに選ばれた。なお、同校講師の西脇鉄雄氏は、四つの上位資格を持ち、講師としてMS AATPトレーナーアワードにも選ばれている。

 名古屋工学院専門学校
 就職率九八%を誇り、即戦力となる人材の育成を目指して早くから国家資格の取得を授業に取り入れてきた専門学校。

 導入の狙い・経過・背景

 狙いは実践的産学連携を目指し、即戦力となる学生の育成を強化すること。これまでは同校でも学習の中心は国家試験である情報処理技術者試験だったが、社会で今求められているのは、何を知っているかではなく「実際に何ができるか」ということ。その答えの一つが実践的産学連携だ。
 同校の認定講師は三人で、MS AATPを導入している学科は四年課程の情報総合学科、三年課程の情報システム科、二年課程の情報処理学科、ITスペシャリスト科の四つ。いずれも必修科目で、コース開催回数は十四コースを誇るが、教室のやりくりなどには苦心するとのこと。
 最近の企業は、MSAATPで学んでいること自体を評価する動きがある。こうした外部からのニーズを背景に、名古屋工学院専門学校では、MS AATP認定講師をさらに増やすなど、MSAATPへの体制を強化する方向。すでに、講師のMCP受験費用や講習会費用は学校が全額負担するなど、学校が講師のスキルアップをサポートしている。また、Authorized Academic Testing Center(AATC)としてMCPのテストセンターにもなっているため学校内でのMCP受験も可能だ。コース開催回数は十四コースで前年比二五〇%増、約五百人近い受講学生輩出数で前年比三八三%増という実績を残し、授業数、受講者人数、資格取得の実績、講座の種類の多様さなどで高い評価を受け、今回のMS AATPアワードに選出された。
 専門学校における実践を通して、これから導入を検討する大学や高等学校へのアドバイスとしては、導入に際して学校全体が確固たる目的意識と熱意を持って取り組む必要があることと、通常の授業と内容やレベルに大きな差異があるので担当のスタッフ以外の教職員の理解と納得を得ておく必要がある。
 ◇MS AATPにおける実践事例の詳細は下記のホームページを参照。 
  http://ed.gakkou.net/mcpnews/index.html
  http://www.microsoft.com/japan/partners/mtc/aatp/award2002.asp
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