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記事2002年9月23日 1860号 (7面) 
21世紀の私学教育テーマに研究大会
埼玉私中高協同私学教育研
教育は私学の時代
荒井元県教育長講演、進学指導など研修

松ア会長

埼玉県私立中学高等学校協会(松ア洋右会長=大宮開成高校理事長・校長)と埼玉私学教育研究所(川端幹雄所長)は八月二十七日、さいたま市・大宮の出雲会館と大宮開成高校を会場に「平成十四年度埼玉私学教育研究大会」を開いた。

 七回目の開催となる今年は「21世紀のための私学教育」をテーマに、記念講演が行われたほか、進学指導、募集対策、生徒指導など九つのテーマに分かれた部会・分科会で活発な討議が展開された。
 開会に当たってあいさつに立った松ア会長は、文部科学省主導のさまざまな教育改革は現在の日本の教育問題の解決の起爆剤となり得るのか、との疑問を投げかけたうえで「結果責任の重さを感じつつ自助努力を重ねた結果、教育は私学の時代といわれるようになった」と評価。「お互いに学び合い、埼玉私学の発展に」と大会の意義を強調した。
 「いま求められる教育その課題と対応」と題して記念講演した荒井修二・元埼玉県教育委員会教育長は、わが国の教育改革の流れを振り返り昭和五十九年の臨時教育審議会答申で示された、(1)個性重視の原則(2)生涯学習体系への移行(3)変化への対応の三点がこれからの教育改革の方向性を示すものだと指摘。新しい学習指導要領の実施や中高一貫教育の推進など、二十三項目にわたる文科省初等中等教育局の十四年度重要施策について詳細に解説し、これらを改革の具体策として位置づけた。埼玉県内の県立高校長も務めたことのある荒井氏は学校経営についても提言。校長には三つの目と三つの心が必要だと強調。長い目(歴史的視点で子どもを見る)、広い目(社会全体を見通しながら指導する)、基本の目(憲法、教育基本法に基づいた教育原理から外れない)、思いやりの心(愛)、奉仕の心(他人に尽くすこと)、向上する心(自ら学ぶ心)を持つべきだとした。
 部会・分科会のうち「キャリア学習と進学指導」を研究テーマとした進学指導の分科会では、茗渓学園高校の高島渉・進路指導部長が同校の個人課題研究と大学訪問を二本柱とする特色ある進路指導について話した。同校では昭和五十四年の創立当初から、高校二年で必修科目として個人課題研究を課し、生徒一人ひとりが興味・関心に応じたテーマを独自に設定し、一年をかけて調査・研究、レポートにまとめていること、さらにそれを三年の五月に行われている大学訪問へとつなげていることを紹介した。
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