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記事2002年9月13日 1859号 (1面) 
中教審答申への対応
私大基本問題検討委が発足
私大振総会

北元会長

日本私立大学振興協会(北元喜朗会長=北陸大学理事長)は八月二十三日、東京・市ヶ谷の私学会館で平成十四年度臨時総会を開催した。中央教育審議会が八月五日に高等教育関連の三つの答申を公表したことを受けて、文部科学省の岩根靖治・高等教育政策室長が講演。大学の設置認可の弾力化、第三者評価の義務付けなど答申に盛り込まれた提言については、今秋の臨時国会に法律改正案を提出するとした。
 岩根氏は三つの答申のうち「大学の質の保証に係る新たなシステムの構築について」は、大学の設置認可を大幅に弾力化し、大学の質の保証のシステムとして、評価機関による大学の評価を導入しようという内容のものだと説明。▽既存の学部と教育内容上の関連性が大きいと思われるもの、授与している学位の大きな方向性に変更がないと思われる場合の組織改編はすべて届け出で可能となること▽大学設置の抑制方針を撤廃、地域による大学設置の抑制方針も撤廃することなどを弾力化のポイントとして挙げた。第三者評価について各大学は認証評価機関による評価を受けなければならないが、これはあくまで大学の質を保証し、教育研究水準の維持向上のために行うもので、例えば私学助成その他の何らかの行政処分に評価が連動するというものではないと述べた。また、法令違反状態の大学に対しては、実効性のある穏やかな是正措置を整備しようと、改善勧告、変更命令、特定の組織のみを対象とした認可取り消しなどの措置、最終的な手段としての大学の閉鎖命令というように、段階を踏んだ是正措置の導入が提言されていることを指摘した。設置認可の弾力化は来年四月の申請案件から適用できるようにしたいとの考えを示した。第三者評価の義務付けの実施時期は十五年度からとするか、十六年度からとするか検討中だが、私学団体などの意見も聴いて、最終的に時期を固めていきたいとした。講演終了後、この中教審答申への対応について協議。出席者からは、国の高等教育のグランドデザインが不可欠だが、それがない、国の繁栄につながる人材育成を国の最重要課題にすべきだ、などの意見が出た。
 また、中教審や国立大学の独立行政法人化問題など、高等教育をめぐる諸問題に迅速に対応していくために「私立大学基本問題検討委員会」を設置することが報告され、委員会メンバーの顔ぶれも発表された。
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