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記事2002年9月13日 1859号 (2面) 
情報化推進と支援体制探る
私情協、大学情報化全国大会
サイバーキャンパスと大学教育テーマに
私大向けセキュリティーポリシーモデル作成
「サイバーキャンパスの推進」をテーマに開かれたこの大会では、「サイバーキャンパスとこれからの大学教育」についての基調講演のほか、e―ラーニングへの取り組みに関する事例紹介、大学におけるネットワークセキュリティーポリシーの在り方についての報告などがあった。
 清水康敬・国立教育政策研究所・教育研究情報センター長は基調講演の中で、アメリカの大学で今年に入ってからe―ラーニングの後退と失敗が見られるようになってきたとし、e―ラーニングの発展のためには、定義の枠組みを広げないこと、学習者が限定されることを最初から意識すること、研究開発が必要であること、定着させる努力が必要であることを指摘した。e―ラーニングの開発体制について、アメリカの大学にはインストラクショナルデザイナーという専門家が存在しており、教育効果をどのようにしたら上げられるか、教員とディスカッションしながらコース開発していることが大きいと強調した。また、著作権問題にも言及し、情報化の進展に伴って、これは情報社会のルールになっており、制作者、利用者すべての人が認識しておく必要があるとした。
 大学におけるネットワークセキュリティーポリシーについては、私情協のネットワーク研究委員会不正侵入対策小委員会の委員である佐々木良一・東京電機大学教授がその考え方、策定と運用方法の概要について講演。各私立大学がゼロから独自にセキュリティーポリシーをつくるのは困難だとして、私情協では私立大学向けセキュリティーポリシーのモデルを作成したと報告。その要旨は▽危機管理の一部として位置づけて全学的に取り組む▽セキュリティーに対する侵害を阻止し、情報資産を守る▽学内外のセキュリティーを損なう加害行為を阻止し、社会的信頼を確保することだとした。また、奥山徹・朝日大学経営学部教授はセキュリティーポリシーの運用に失敗しないためには、徹底した教育体制の確立、運用組織の確立と役割分担などが必要だと指摘した。
 私立大学情報教育協会(戸高敏之会長=同志社大学工学部教授)は九月三日から三日間、東京・市ヶ谷の私学会館で「平成十四年度大学情報化全国大会」を開催した。これは前年度まで「私情協大会」として開かれていたもので、今回から文部科学省の後援を受けるとともに、国立大学からの参加も受け付け、大学全体における情報化推進とそれに伴う支援環境、支援体制など大学としての今後の対応を探った。
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