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記事2002年9月13日 1859号 (7面) 
ユニーク教育 (110) ―― 作新学院高等部
新システムで魅力づくり
英進、総合進学、情報科学部設置

船田理事長

 学校法人船田教育会(船田元理事長、栃木県宇都宮市)が平成十五年度から大きく変わる。(1)「作新学院高等部」から「作新学院高等学校」へと校名変更(2)「英進部」の大幅な組織変更(3)従来の男子部は、女子部を統合、男女共学とし、「総合進学部」を新設と、明治十八年創立以来の組織改革となった。
 作新学院の“作新”とは中国の書物「大学」の中にある「日々新、又日新、作新民」(民を奮い立たせ、気分を一新する)に由来する。この理念に根差して、「自学自習」「誠実勤労」の精神、また家族のように助け合い、励まし合うという「一校一家」の校風が生まれ、百十七年の歴史の中で、それは脈々と息づいている。
 従来、「作新学院高等部」は英進部、男子部、女子部、情報科学部の四つの部の下に、十学科二十一コースがあった。多岐にわたる学科、コースを設定し、きめ細かな指導を行ってきた。しかし、来年度から高校で導入が決まっている新指導要領を考慮し、また生徒一人ひとりの個性をより大切にし、能力を最大限に引き出すためという発想の基に新しいシステムの導入を決めた。魅力ある高校づくりと、生徒に対して面倒見がいい学校を目指すということが前提となっている。
 十五年度からスタートする「作新学院高等学校」では、「英進部」「総合進学部」「情報科学部」の三部二十一コースを設置した。どの部でも一年次では基本的に各部内で共通のカリキュラムで、基礎学力を徹底的に伸ばすように配慮していく。二年次から生徒各自の目的に沿った授業が始まる。
 「英進部」では、国立選抜、国・私立、中高一貫の三つのコースが置かれ、二年次以降にはさらに、国立医理選抜、国立文系選抜、国立文理、私立医理・看護系、私立大・福祉系のより細分化されたコース制を採用した。難関国立大学、著名私立大学への合格を目標とし、少数精鋭の徹底した個別指導が習熟度別授業などによって行われる。
 「総合進学部」は人間教育、知育教育、実践教育の三本を柱に、心豊かで創造性に富む人材を育成することを目標に置いている。「総合」の中には飛躍するという意味も込められていく。同部は一年次では大学進学、専修進学、キャリアの三つの「系列」を有し、二年次、三年次では大学進学と専修進学はそれぞれ文系、理系のコースに分かれ、キャリア系列にはキャリアコースがある。
 鈴木英夫・副教頭は「系列」につき、「今までは進路指導を学年主導で行ってきたが、『系列』を採用すると、目の行き届いた指導ができ、しかも、三年先を見据えた指導ができるのが利点だ」と説明する。
 一年次では基本的に三系列とも共通のカリキュラムだが、二年次から始まるコースは教科を超えて生徒が自由に選択できる仕組みだ。特にキャリア系列では就業体験の授業や、就職試験を視野に入れた授業も行われる。
 「情報科学部」では、情報社会と国際化社会に対応するため、高度な専門性を身につけたスペシャリストの育成を目指す。そのために、流通経済、情報、電気・電子、美術デザイン、生活科学の五科の下にコースを置く。
 同校は現在、在籍生徒数五千七百七十人、教職員数約四百人の規模を有している。生徒に対する生活指導を重視するとともに、不安や悩みについてもカウンセリングを充実させている。また施設・設備も高校とは思えないほど完備している。キャンパス内に設置された最新コンピュータは六百八十台、図書館の蔵書数は四万六千冊を誇っている。

豊富な経験と正確なデータで親切な進路指導

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