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記事2002年9月13日 1859号 (9面) 
新校長インタビュー (63) ―― 光塩女子学院中等科・高等科
校長 尾崎 越子氏
共同担任制、習熟度別授業
数多い選択授業が奏効


 光塩女子学院中等科・高等科(尾崎越子校長、東京都杉並区)の校名は、「あなたがたは世の光です。あなたがたは地の塩です」という聖書の言葉に由来する。
 「人はその人の能力に関係なく、だれでもありのままに存在するだけで価値を持っています。自分と他者のかけがえのない価値に目覚めるとともに、自分と同じ価値を持つ他者に自己を開いてかかわることにより、一層大きな人に育つように招かれています」(尾崎校長)
 この人間観・世界観に基づいて、同学院の教育は行われる。
 自分と他者の価値に目覚め、積極的に主体的に自分の生き方を選ぶことの重要性に気づかせることを目指し、具体的には共同担任制や、習熟度別授業・数多い選択授業などのきめ細かい指導が展開される。
 共同担任制は創立と同時に始まっているが、本格的に制度化されたのは一九六五年。一学年を六人の教師がグループで担任する制度だ。担任間ではお互いに補完し合い、協力する姿勢がある一方で、生徒の方は六人の異なった教師から学び影響を受ける。教師一人では限界のあることを六人が一緒になって考え、問題を共有する。
 一九六二年から開始の習熟度別授業(英・数、高等学校では理も)は毎年改善が加えられている。
 「学力の異なる生徒に一様の授業を行うことは、結局は不平等になってしまいます。生徒の理解や進度に合わせて学力を伸ばすことは、キリスト教に基づく人間観があるからこそ早くからできたと思います」
 尾崎校長の抱負は二つある。
 「異なったものへの寛大さをもち、多様性を受け入れるだけでなく、それを豊かさととらえるセンスを生徒に身につけてもらいたい。もう一つは、生徒と教師の人間同士のコミュニケーションを通して、生徒は教師の人間的な温かみに触れ、教師は生徒の悩みなどを一緒に考えるという、生徒と教師と近い関係をつくりたい」
 校長室は常にドアが開かれており、生徒の出入りが多い。ここでは尾崎校長と生徒との距離を近くしている。
 教師の役割は生徒自身が自分のうちから力を引き出すために、そばにいる存在であることと、教師に対しては期待をかけている。
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