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全私学新聞

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記事2002年8月3日 号 (2面) 
規制を弾力化し、評価厳しく
機関認証基準が課題
杉田・日短協事務局長講演
関短協事務局長等研修会


 関東私立短期大学協会(平方昇一会長=明和学園短期大学理事長・学長)は七月十八、十九の両日、千葉市美浜区の幕張プリンスホテルで「平成十四年度事務局長等研修会」を開催した。初日は杉田均・日本私立短期大学協会事務局長が「短期大学をめぐる諸問題について」と題して講演したほか、五つのグループに分かれ、各短大の実情を踏まえて討議した。
 杉田氏は中央教育審議会の答申案「大学の質の保証に係る新たなシステムの構築について」に触れ、設置認可の在り方を従来の厳しい規制を弾力化して、評価を厳しくする事後チェック型への移行を図るものだと解説。協会としては同一分野での改組は届け出制にしてほしい、工場等制限区域の撤廃に当たっては地域間格差を是正してほしい、校地に係る基準の見直しについても現行基準を堅持してほしい、とそれぞれ申し入れを行っているとした。
 第三者評価制度の導入をめぐっては、文部科学省から短期大学基準協会を認証評価機関の一つとして考えていきたいとの話があったとし、現在、短大設置基準は設けないという考え方で評価活動を行っているが、機関認証基準をどう考えるかが今後重要な課題となると指摘した。また、全私学連合の対応として、国に第三者評価をしていく機関に対して補助金の支援を要望していく方向であると述べた。教育基本法の見直しに関しては全私学連合として、同法に私学の意義を明文化すべきだ、高等教育のグランドデザインを明確にすべきだという要望を行っていくとした。
 入学金返還問題についても言及。協会として統一した対応を決めることはカルテルと類似のものになるとし、情報提供に徹していくとした。また、総合規制改革会議が打ち出している大学への株式会社参入問題については、夏以降にヒアリングを行い、十二月初旬に答申というスケジュールだが、文科省は絶対反対で動いていると報告した。
 続いて、真板益夫・清和女子短期大学理事長・学長が「我が人生の奇跡」と題して講演。真板氏は学園の創設、発展にあたっては人との出会いが大きかったと振り返り、故小原国芳・元玉川学園理事長らとの出会いのエピソードなどを話した。
 グループ別情報交換で、学生募集対策について話し合ったグループでは、大半の短大から高校訪問に力を入れているとの報告があった。実施の方法は各短大によって多様で、職員ばかりでなく教員も参加し、地域別の分担を決めて実施しているという短大、高校訪問した教員から後日、報告書の提出を求めているという短大などもあった。高校訪問については方法論を確立できないかとの指摘も出て、四年制大学への進学実績しか持たない高校への訪問は避ける、訪問する地区を細分化して、重点的に攻略すべきだ、などの意見が相次いだ。
 入試方法についてはAO入試を導入する短大が少なくなく、やる気のある学生が入学してくるとのメリットが報告される一方で、AO入試のあおりを受けて、推薦入試での入学者が減少するとの報告もあった。


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