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記事2002年8月3日 号 (2面) 
私学助成の充実を
8府県が財源措置を国に要望
私学への財源府立高の僅か38%
授業料軽減補助支援も要請
 大阪、愛知、滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山、福岡の八府県は、七月十二日、(1)経常費助成に対する財政措置の充実(2)授業料軽減補助制度の財政支援(3)授業料減免事業臨時特別経費の継続実施の三点を求めた要望書を文部科学省に提出した。また同じ要望書を大阪府の東京事務所を通じて総務省に提出している。今回の共同要望は大阪府が周辺県などに呼びかけ実現したもの。
 八府県が共同して二大臣に要望書を提出したのは、私立高校の生徒が高校教育全体の三割から四割を占めているにもかかわらず、国の財政措置が公立私立であまりにも不均衡なことから、保護者負担の公私間格差の縮小を含め国の交付税を中心とする地方財政措置を充実してほしいとの願いから行われたもの。
 当日は山登敏男・大阪府生活文化部長ら六人が、文部科学省に石川明・高等教育局私学部長(当時)、栗山雅秀・私学助成課長を訪ね、要望内容を説明し理解を求めた。
 要望事項のうち、(1)の経常費助成に対する財源措置の充実に関しては、公私立高校が互いに競い合い、公私トータルで良質な教育サービスを国民に提供することが求められており、そのためには公私立間で均衡のとれた財政措置が不可欠とし、私立高校への経常的経費助成に対する国庫補助金、地方交付税措置の大幅充実を要望している。大阪府を例にとると生徒一人当たりの国の財源措置額は、府立高校六十五万六千円に対し私立高校は二十五万一千円と三八%どまり。そのため保護者の負担する教育費の公私格差は、世帯総収入が五百一万円から八百万円の家庭の場合、初年度納付金で三・九倍に上る。
 (2)の授業料軽減助成への財源措置に関しては、自由な学校選択を支援するため、必要な財源措置を求めているが、実施されるまでの間、少なくとも授業料軽減助成に要する経費を、国の私立高等学校等経常費助成費補助金の補助対象経費に加えるよう求めている。
 (3)の授業料減免事業臨時特別経費に関しては、経済的理由から私立高校への就学や修学継続が断念されないよう補助事業の継続を要望している。
 こうした要望に文部科学省は、公費投入額を公私同じにすることは財政的に困難としながらも、府県単独の軽減助成への国費投入は中長期的な課題との認識を示し、授業料減免事業臨時特別経費に関しては要望の趣旨も踏まえて概算要求に対応していく考えを示した。


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