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記事2002年8月3日 号 (2面) 
大学の質の保証など答申案
第三者評価位置づけ論議
文科省が幹部異動
【中教審・大学分科会】

 中央教育審議会の大学分科会は七月二十三日、東京・霞が関の文部科学省別館(郵政事業庁庁舎)で第十回分科会を開き、「大学の質の保証に係る新たなシステムの構築について」など三つの高等教育関係の答申案を固めた。「大学の質保証」では、設置認可を弾力化し、大学が自らの判断で社会の変化に対応した教育研究活動を展開できるようにするとともに、第三者評価制度の導入を提言。設置後の状況を継続的に評価するシステムをつくるとした。分科会では最初に中教審事務局(文科省)が前回の答申案からの主な修正点について報告した。いずれも大幅な修正はなく、「大学の質保証」では▽学位の分野の具体的分類に関して「新しい分野の発展に配慮しつつ」更に検討を進め、審議会で結論を得るとした▽法令違反状態の大学に対する是正措置に関して、私学の自主性を考えればそれが抑制的なものであるべきだ、情報公開、透明性の確保が重要だという委員からの意見を踏まえ、現行では「国が違法状態にある私立大学に対して是正措置を行おうとすれば、閉鎖命令という最終的な措置を発動するしか法的手段はない」という文言に改めたなどの点について指摘があった。
 委員からは、三つの答申案でその導入が提言されている第三者評価制度の導入に関して、「大学の質保証」では一か所だけ適格認定の文言があるが、答申案「大学院における高度専門職業人養成について」では一切ないこと、答申案「法科大学院の設置基準等について」では第三者評価を明確に適格認定と位置づけていることについてその整合性を問う指摘があった。文科省は、前二者は適格認定以外も含む第三者評価であり、法科大学院については適格認定という評価の枠組みだと応じた。また、法科大学院が適格認定型第三者評価を導入することには反対ではないが、適格認定と行政処分とを結び付けることには反対だとする意見もあった。「法科大学院の設置基準等について」では、適格認定の結果、法令違反状態が明らかになったものについては、改善勧告、変更命令、認可取り消しなどの措置を講ずるとされている。第三者評価を行う認証評価機関としてどのような機関を想定しているかとの委員の質問には、大学評価・学位授与機構、大学基準協会、短期大学基準協会、日本私立大学協会が設立を構想している評価機関を挙げた。
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