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記事2002年8月3日 号 (3面) 
大学教育の質向上へ
情報教育方法研究発表会
私情協
 私立大学情報教育協会(戸高敏之会長=同志社大学教授)は七月六日、東京・市ヶ谷の私学会館で「第十回情報教育方法研究発表会」を開催した。この発表会は大学・短大の教職員によるコンピュータ、ネットワークを活用した教育方法を奨励し、ユニークな教育システム、教材開発の成果の発表を通じて大学教育の質的向上を図ることを目的としたもの。特に優れた教育方法には後日、文部科学大臣賞、私立大学情報教育協会賞が授与される。
 研究発表は(1)情報専門分野の教育・リテラシー教育(2)語学教育・教職課程(3)専門分野の教育における応用活用(4)教育システム・ソフトの四つのグループに分かれて行われた。このうち(4)のグループでは、ユニークな教育システムの開発とその運用の成果について十五件の発表があった。
 活水女子大学の川場隆氏は、成績通知など学生とのコミュニケーションツールである講義用メールシステムと、演習や課題を効率よく行うためのオンライン型レポート集配システムを活用した授業運営について発表。このシステムを利用、単元ごとに課題を課し、その採点結果を逐一本人に通知した結果、明らかに学生の成績が向上したと報告した。
 九州東海大学の藤原勉氏は学内専用学習履歴展示ウェブ上に開発したレポート提出システムの機能と運用状況について発表。これはレポートを学習過程の作品としてとらえ、学生およびクラスごとのレポートを時系列発展過程として蓄積し、教育指導の参考資料となるよう学習履歴カルテの作成を目標としたもの。
 甲南大学の長坂悦敬氏は双方向教育へのアプローチとして、授業中に解答を回収し、評価結果を提示する、携帯電話メールを利用した課題提出・採点システムについて発表。二つの講義でこのシステムを利用した結果、受講者の反応もよく、学習の動機づけにもなっていると報告した。
 東海大学福岡短期大学の八尋剛規氏は携帯電話を利用した授業評価システムの開発と運用について発表。ウェブを使って授業評価を行うシステムを携帯電話のウェブブラウジング機能から利用できるように改良を加え、コンピュータ実習室を利用しない講義科目も授業評価のオンラインによるリアルタイム化を図ったと述べた
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