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記事2002年8月3日 号 (7面) 
新校長インタビュー (61) ―― 錦城学園高等学校
校長 西田 碩志氏
潜在的能力引き出し
紳士としての心を育てる


 「本校に入学してくる生徒は高い潜在能力を持っています。しかし多くの生徒はその能力を伸ばしきれないままに入ってくる。私たち教師の仕事は彼らの能力をいかに引き出すかなのです。ですから勉強と部活動、部活でなくても何かもう一つと両立できるよう努力しよう、と呼びかけています」
 錦城学園高等学校(東京都千代田区)の西田碩志校長はこう語る。
 西田校長はよく生徒に「紳士たれ(Be Gentleman)」と話している。西田校長にとって、この言葉の意味は重い。東京の大学に入学して初めての銭湯での体験。お湯かけもそこそこに湯船に浸かったら、老人が「ここはおまえさんだけの風呂じゃないんだよ」と一言。
 西田校長は、この老人の言葉は札幌農学校でクラーク博士が「生徒を百の規則で縛るよりも、ただ一つ紳士としての心を育てることの方が重要」と語った言葉に通じるという。そして「心の持ち方が大切で、それぞれが置かれた場所で人のために何ができるかを考えることのできる生徒を育成したい」と。
 (1)個性を大切にし、豊かな人間性を育てる。(2)高い「志」と国際的な視野を持つ人材を育成するという教育目標も、こうした心の持ち方が根底にあって成り立つという。
 同校には文理コースと国際英語コースとがある。一年次は一学級を三十人程度で編成し、数学や英語は二十人前後の習熟度別授業を行っている。さらにコンピュータを使った英語学習(CAI)と外国人教師による英会話授業はクラスを二分割して十五人の少人数制で行っている。また小テスト、課題レポート、授業への取り組みなど、成績評価に占める平常点の割合を三〇%と高くして、毎日の学習努力を促す方策をとっている。授業に則した小テストの数は多く、期待値に達しなければ再テストも行われる。
 西田校長は、少人数制を「一人ひとりの生徒を主人公として扱い、個性を大切にしようとする試み」と言い、評価の方法については「一人ひとりは個性も能力も違うのだから、たとえ遅れてもひたむきに努力する生徒を大切にしたいという願いの表れ」と言う。
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