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記事2002年8月13日 1856号 (1面) 
大学の設置認可を弾力化
中教審 「大学の質保証」など三答申 遠山文科相に提出
第三者評価制度を導入
専門職大学院制度創設
 中央教育審議会は八月五日、大学の設置認可を弾力化するとともに、設置後の状況を第三者が継続的に評価を行う体制をつくることを求めた「大学の質の保証に係る新たなシステムの構築について」など三つの答申を取りまとめ、鳥居泰彦会長が遠山敦子文科相に提出した。「大学院における高度専門職業人養成について」では専門職大学院制度の創設を、「法科大学院の設置基準等について」では法科大学院の標準修業年限・修了要件等を定めた。(2面に関連記事)

 答申では、国の設置認可は学部、研究科の新設・改廃について行うことを原則とするが、改編前後で授与する学位の種類や対象とする学問分野に変更があるか否かを勘案して弾力的に取り扱うとした。  例えば経済学部の中に経済学科と経営学科があり、経営学科を改組して経営学部を新設する場合のように、現在、授与している学位の種類・分野を変更しない範囲内で組織改編する場合は届け出とする。新たな種類・分野の学位を授与するための組織改編の場合は学部の学科の新設であっても認可の対象とする。短期大学および高等専門学校の学科の新設・改廃については基本組織として国の認可を必要とすることを原則とするが、教育分野を変更しない範囲内の組織改編は届け出とするなど四年制大学と同様の取り扱いとする。大学・学部などの設置審査における抑制方針、首都圏・近畿圏における工業等制限区域内の大学・学部の設置審査における抑制方針は撤廃する。  設置認可を弾力化する一方で、大学の教育研究活動について、国の認証を受けた評価機関が定める評価基準に基づき、大学を定期的に評価し、評価結果を踏まえて大学が自ら改善することを促す制度を導入する。仮に評価機関の基準に達せず、適格認定されなかった大学でもそれを理由に国から行政処分を課されることはないと明記した。機関別第三者評価についてはその評価を義務づけた。  また、現行法令では法令違反状態にある私立大学に対し、文科相は閉鎖命令という最終的な措置を発動するしかないが、これを原則として(1)改善勧告(2)変更命令(3)特定組織のみを対象とした認可取り消しなどの措置(4)大学の閉鎖命令といった段階を踏まえた是正措置を行えるようにする。私立大学に変更命令などを行う場合は事前に大学設置・学校法人審議会の意見を聴く。


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