政府は八月七日、平成十五年度概算要求基準を閣議了解した。概算要求基準は各省庁が来年度予算を財務省に要求する際、基準となるもの。予算要求の締め切りは八月末。 　それによると一般歳出及び一般会計歳出全体について実質的に平成十四年度の水準以下に抑制することを目標に、歳出全般にわたる徹底した見直しを行い、歳出の抑制と所管を超えた予算配分の重点化・効率化を実施するなどとしている。 　具体的には十五年度予算の一般歳出総額を前年度に比べ六千億円増の四十八兆一千億円にし、そのうち（１）公共投資関係費は前年度に比べ三％（二千八百億円）削減する（２）人件費などの義務的経費に関しては、制度改革等により前年度に比べ九千二百億円の増加にとどめる（３）裁量的経費に関しては前年度比で二％削減する。ただし科学技術振興費は前年度同額が上限。（九百億円減額） 　公共投資関係費と裁量的経費に関しては、これら要望基礎額の二割増しまで要求を認めることにしており、財務省の査定で絞り込む。 　また六月に閣議決定された「経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇二」で重点的に推進すべきとされた「新重点四分野」（＝（１）人間力の向上・発揮教育・文化、科学技術、ＩＴ、（２）魅力ある都市・個性と工夫に満ちた地域社会、（３）公平で安心な高齢化社会・少子化対策、（４）循環型社会の構築・地球環境問題への対応）にふさわしい施策・事業に重点を置くこととしている。 　地方公共団体に交付される補助金で、公共投資関係費、裁量的経費に区分されるものについては、予算編成過程で前年度比五％の削減を目指す。この中には私立高等学校等経常費助成費補助金が含まれるが、文部科学省では、同補助の充実をどうしたら実現できるのか、様々な方策を検討しているところ。概算要求で増額要求が実現した場合でも、年末の財務省の査定で私立高校等の私学助成が厳しく切り込まれる可能性はある。 　このほか地方財政計画に関して概算要求基準は、地方財政を徹底して見直し、規模の抑制に努める、としている。