こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2002年7月3日号二ュース >> VIEW

記事2002年7月3日 号 (1面) 
大学の質保証で新システム
将来構想部会が答申案固める
設置認可の弾力化 学位の分野で認可対象限定
 中央教育審議会大学分科会の将来構想部会は六月二十日、東京・霞が関の文部科学省別館(郵政事業庁庁舎)で第十三回部会を開き、答申案「大学の質の保証に係る新たなシステムの構築について」を審議、部会としての答申案を固めた。次回の大学分科会(七月十日)に提出、審議する。答申案は中間報告と同様、(1)設置認可制度の弾力化(2)第三者評価制度の導入(3)法令違反状態の大学に対する是正措置を基本的骨格としているが、前回部会で委員から出た意見も踏まえ、文言にかなりの加筆修正が施された。設置認可の在り方の見直しについては「大学が授与する学位の種類や分野に着目し、その違いによって認可対象を限定する方法」を提言している。  答申案では大学の設置認可について、学位を授与するためにふさわしい教育課程、教員組織があり、一定の分野で一定の水準の知識・技術を身につけさせることが可能であるかどうかを審査して行われるものだと位置づけた。  そのうえで「設置認可時に授与することが想定された学位の分野などを超えない学部等の設置であれば、新たに認可を求めることは特段必要がない」とした。従って、改編前後で授与する学位の分野の違いによって認可か届け出かが分かれることとなり、どのような場合が「新たな分野の学位を授与する場合」に該当するかについての設置認可の手続き上の観点から指標を定める必要があると指摘。  大学の学部等で行われている教育の分野を文学関係、法学関係などのように大くくりに分類し、設置認可の際の認可か届け出かの判断基準とすることが適当だとした。具体的な分類については中教審で結論を得ることとされ、前回部会で提示された、学問分野を約二十の大くくりの分類で整理した素案は退けられた。  第三者評価(適格認定)制度の導入のうち機関別第三者評価に関しては、「大学の質の維持向上のために各大学が自ら定期的に受け、その結果を大学の改善に役立てていくことが重要」であり、「各大学は認証評価機関による評価を受けることとする」と定められた。「適格認定」という文言をめぐって委員から「評価(基準)判定」とすべきではないか、などの意見が出て、文科省(中教審事務局)が表現の仕方を検討するとした。  また、第三者評価は本来、大学のオートノミーによって受けなければいけない性格のものであることを明確にした表現にすべきだとする意見も出たため、これらの点については次回大学分科会までにまだ表現が変わる可能性がある。  このほか答申案では大学評価・学位授与機構が行う評価について「同機構による評価を受けることを希望する私立大学についてはこれを可能にする」とした。
記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞