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記事2002年7月23日 号 (1面) 
私学助成を再検討へ
来年度の予算対策は従来通り
中高連


 日本私立大学協会(大沼淳会長=文化女子大学理事長・学長)は七月十二日、東京・市ヶ谷の私学会館で「平成十四年度教育学術充実協議会」を開催した。文部科学省高等教育局の岩根靖治・高等教育政策室長が中央教育審議会の審議動向について講演。中教審で現在、審議中のを含め高等教育関係の三つの答申案は今月末にも取りまとめを予定しているとの見通しを述べた。  答申案「大学の質の保証に係る新たなシステムの構築」では、設置認可の弾力化の方針が打ち出されているが、これには大学設置基準等の一部改正が必要であり、秋にも開催が見込まれる臨時国会に諮り、来年度申請案件に間に合うようにしたいと述べた。設置認可の弾力化のポイントとしては、教育内容を表すメルクマールとして学位に着目し、学位の分野に変更がない範囲内で組織の改編を行う場合は届け出制にするなどとした。抑制方針撤廃が社会、地域に及ぼす影響についてフロアの参加者から質問が出されたが、高等教育のグランドデザインについて今後、検討を始めていくと応じた。  続いて講演した、同協会副会長の黒田壽二・金沢工業大学学園長・総長は、高等教育のグランドデザインをどのようにしていくかは大きな課題だとし、日本としてのナショナルポリシーとインターナショナルポリシーとを重ね合わせたうえでつくる必要があると指摘した。  最後に喜多村和之・私学高等教育研究所主幹が「私立大学の質の向上と保証」と題して講演。喜多村氏は日本の大学の七四%を占める私立大学の底上げを優先課題にしないと日本の高等教育全体の質も向上しないと指摘。官の評価に服するのは私学の“自殺”、既存の評価機関だけでは私学の評価は不可能だと述べ、私学の特性に配慮した評価システムをつくることの必要性を強調した。私学評価システムの基本的考え方としては、積極的な自己強化につながるものであること、任意であること、定性的評価、教育機能を重視することなどを示した。
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