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記事2002年6月3日 号 (9面) 
新校長インタビュー (56) ―― 日本大学豊山女子中学校・高等学校
校長 中山 康氏
「女性の自立」目指す
理数科設置、医歯薬、獣医系へ進学


 日本大学豊山女子中学校・高等学校(中井康校長、東京都板橋区)は日本大学の全国の付属二十三校の中で、同大学が設置した最初で唯一の女子校で、高校は昭和四十一年に、中学校は同六十一校にそれぞれ開校し、中高一貫教育を展開している。
 同四十六年には、「女性の自立」を目指す教育を行おうと、女子校としては全国でも珍しい理数科を設置、医歯薬・看護・獣医系の大学進学を目指す生徒のためのカリキュラムを充実させた。
 平成十三年度卒業生のうち、日本大学への入学者は百八十二人の合格者を出している。「ここ数年、生徒の進路希望も多様化しているため、他大学への進学にも対応している」(中井校長)。
 また、生徒たちがお互いに刺激し合って学ぶことにより、より高い教育効果を狙う少人数編成の「レッスンルーム」制を採用している。
 同校は教育方針の一つに「情操を陶冶し、礼儀正しく品位ある生徒の育成」を掲げている。この方針の下に、高校一年で茶道を、二年で華道を「正課」に取り入れている。「茶道、華道を学ぶことを通して、相手の立場に立って物事を考え、思いやりや優しさの心を養います」(中井校長)。
 本物を見て感性を養う芸術鑑賞にも力を注いでいる。昨年は松山バレエ団特別講演「ロミオとジュリエット」を鑑賞、十二年二月には東京芸術劇場大ホールで新星日本交響楽団演奏、同校の生徒の合唱による「二〇〇〇年第九演奏会」も行った。
 同校のクラブ活動は活発で、インターハイや各種コンクールで優秀な成績を収めるクラブも少なくない。最近、同好会からクラブに昇格した「放送部」の活躍は目覚ましい。「小学生、中学生、高校生のためのデジタルコンテスト」(東北デジタル放送局)では、中学生部門が「推奨作品賞」を、高校生部門が「特別賞」を受賞した。
 また「ヨーロッパ・グランプリサーキット二〇〇二遠征」(日本水泳連盟)派遣の選手の中に同校からも一人選ばれている。
 「本校では授業の始めと終わりのチャイムは鳴りません。自由な中で約束事を守り、自主性を育てるためです。放課後の全員清掃は生徒と教職員が一緒になって清掃を行うのも特徴です」(中井校長)。
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