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記事2002年6月23日 号 (7面) 
新校長インタビュー (58) ―― 法政大学第一中学・高等学校
校長 森田 勉氏
生徒への願いは「自立した人間」に
高校と大学との交換カリキュラム実施


 百二十年の伝統を誇る法政大学の付属校の一つ、法政大学第一中学・高等学校(東京都武蔵野市吉祥寺)の森田勉校長の生徒に対する願いは、「自立した人間」に成長することだ。
 「十分な基礎知識と確かな基礎学力の上に、問題意識を持ち、自分で考え、判断し、行動できる、また、人間的な感性を大切にできる、そして創造性に富んで生き抜ける、民主的な社会を担う重要な人物」に成長すること、と森田校長は説明する。
 中学・高校を通して、獲得してほしい五つの能力を挙げる。「(1)自ら問題意識を持ち、資料収集や調査・研究を行うことができる探究心(2)自ら学んだことを整理し、他人の意見にも耳を傾け議論し、再構成できる知的能力(3)自ら認識を深め、得られた結果をプレゼンテーションできる自己表現力(4)仲間と共に、楽しく生き生きと交流しながら向上していける(コミュニケーション)能力(5)豊かな人間性と民主的社会の形成者にふさわしいモラル」
 この能力獲得のために最も大切なのは、「自信と意欲」と指摘する。
 「自分の向上意欲や学習意欲を刺激するもの、例えばクラブ活動、仲間との交流、趣味など何でもいいから見つけ出すことが重要で、自分に自信と勇気と安心感を与えてくれる、自分独自の“意欲の引き出し”を持ち、その中身を豊かにしてほしい」
 平成九年度に大学付属校教育連携プロジェクトを発足し、付属校から法政大学へ推薦入学する場合、有資格者を全入させることを決めた。さらに翌年には大学付属校教育連携委員会を立ち上げ、法政大学と付属校の教員が高校と大学との連携をより深めるための協議を行っている。
 その一環として十三年度から導入したのが、法政大学への推薦は高校三年の二学期までの成績で有資格者を決め、三学期は高校と大学との間の交換カリキュラムを実施していることだ。
 十四年度は教育交流を中心に、中学生や高校生に大学を身近なものに感じてもらうようにと考えている。
 また、同校の特徴の一つに保護者(PTAやOB会)、生徒、教員との結びつきが強く、交流も活発に行われている。
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