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記事2002年6月13日 号 (1面) 
大学の質の保証に係るシステム構築
中間報告基に答申案
中教審・将来構想部会
 中央教育審議会大学分科会の将来構想部会は六月七日、東京・麻布の三田共用会議所で第十二回部会を開いた。文部科学省から「大学の質の保証に係る新たなシステムの構築について」の答申案が提示され、これについて審議した。答申案は四月に出された中間報告をベースに、中間報告以降の部会審議の中で出された意見も踏まえて修正されたもの。設置認可の在り方の見直しに関しては、設置認可の対象を限定する方法として「当該大学の設置時に想定された学位授与権の範囲を超えるような組織改編であるかどうかを判断の基準とすることが適当である」との文言が新たに書き加えられた。
 また、学位の分野に関しては、どのような場合が「『新たな分野の学位を授与する場合』に該当するかについての指標を定める必要がある」とされ「このような指標については別添の分類例のように大括りの分類とする方向で、更に検討を進める」とされた。「別添の分類例」としては学問分野を文学、教育学、法学といった二十―二十三の大括りの分類で整理する素案が提示された。短大および高等専門学校の学科の新設・改廃については「国の認可を必要とすることを原則とするが、改編前の学科が対象としていた学問分野を変更しない範囲内で組織改編する場合は、国の認可は不要とし届出で足りることとするなど、四年制大学と同様の取り扱いとする」となった。
 「新たな学位の分野」の整理素案をめぐっては「いまの新しい学問分野の展開に配慮していない」「学位を設置認可の対象とするのは大きな転換だ。学部学科制度全体の見直しにまで議論を広げない方がいい」などとの意見が委員から出された。
 第三者評価については、答申案では「各大学は認証評価機関による評価を受けることとする」とされ、中間報告にあった「方向で検討する」の文言が消え、義務化の色彩が濃くなった。この点についても「受けようというインセンティブを与えるものでなければならない。義務づけるという考え方はおかしい」などと、異論を唱える意見が出た。
 文科省はこうした指摘について「義務ではないが、できるだけ受けてもらわないと、質の保証はできない」と応じた。

第三者評価の一環に
海外の評価機関も

 このほか答申案では、新たに海外の評価機関の取り扱いが書き加えられた。「我が国の大学の国際競争力、国際的通用性の向上の見地から、特定の分野においては」、海外の評価機関を「今回新たに導入する第三者評価制度の一環として活用できることとする」とした。
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