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記事2002年6月13日 号 (7面) 
新校長インタビュー (57) ―― 藤村女子中学・高等学校
校長 河上 一雄氏
中学は宝、本当の中高一貫
質の高い教育を保証

河上一雄氏

 東京・武蔵野市にある藤村女子中学・高等学校の新校長に河上一雄氏が四月就任した。河上氏は都立高校の校長職を九年間歴任、都立日比谷高校の前校長でもある。
 河上校長は「私学は教育の理念と、はっきりした経営方針があるので、自分の考えがしっかりしていれば時代に対応できる教育ができる点で魅力があり、来てよかった。たいへん、幸せに思う」と現在の心境を語る。
 私学は先見性のある理事長・校長と一部の優れた教員が学校を引っ張ってきたことが強みと評価する一方で、「この点がないと私学は弱い」と弱点にもなり得ると指摘する。
 河上校長は教職員への宿題とするとともに、自らの決意をこう語る。
 「(1)三年間で、石にかじりついても学校を変えること(2)中学は宝、本当の中高一貫を実現すること」
 学校を変えるには、教員の意識改革から始める。
 「私学は公立と違い、保護者からお預かりする授業料などで学校を運営している。それによって質の高い教育を生徒に保証しているが、教員にはこの点の意識が薄い」と、自己研さんの必要性を語る。教員との面接や、教員の授業見学を積極的に実施し、外部から刺激を得るために、他校の授業見学も推奨している。夏には一週間、教員の企業研修も考えている。また課題として、教材の研究を徹底的に行うことを挙げる。
 「チャレンジ、勉強、スポーツ、燃える藤村」のキャッチフレーズの下に、勉強とスポーツの両立を図っていく方針だ。
 高校のカリキュラムでは現在、外国語、文理、および体育の三コース制を実施しているが、中学・高校六年間を五年と一年とに分ける中高一貫型を検討している。この狙いは「中学教育を充実させ、中学生は全員クラブに加入させ、勉強とスポーツを両立させる」ところにある。二学期から到達度別学習指導を行うこと、夏からサテライト授業を実施すること、二学期直前に一週間、中学二、三年、高校一、二年生を対象に勉強の進度が遅れている生徒の基礎力を養成するために、八ヶ岳学習会を開くことなどを実施する。
 河上校長は毎朝、八時二十分に正門に立ち、生徒に声をかける。「第三の青春、真っただ中」と意欲を示す。
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