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記事2002年4月3日 号 (1面) 
学部学科設置を弾力化
中教審将来構想部会が骨子案かためる
学位分野同じ組織改編は届け出に
第三者評価制度導入も提言
 中央教育審議会大学分科会の将来構想部会は三月十九日、東京・霞が関の文部科学省別館で第八回部会を開き、大学の設置認可の対象は教育研究の質を保証する上で必要不可欠なものに限定するとの内容の骨子案を固めた。新たな第三者評価制度の導入も提言。四月には中間報告案を取りまとめる。

 骨子案では、国の設置認可の対象は大学、大学院の基本組織である学部、研究科の新設・改廃について行うことを原則とするが、改編前後で授与する学位課程に変更があるかに着目して弾力的に取り扱う。例えば、経済学部の中に経済学科と経営学科とがあり、経営学科を改組して経営学部を新設する場合のように、現在授与している学位の水準・分野を変更しない範囲内で組織改編する場合は届け出とする。既設大学に新たに法科大学院の課程を設置するというように、新たな水準・分野の学位を授与するための組織改編の場合は学部の学科の新設であっても新たな学位課程の新設として認可の対象とする。短期大学の学科については審査の手続きや内容の簡素化を図りつつ、認可の対象とするか、原則として届け出とするか引き続き検討することとなった。
 設置審査に当たっては、現在、特定の分野を除いて抑制方針が採られているが、大学が社会のニーズや学問の発展に柔軟に対応し、また大学間の自由な競争を促すため、これを撤廃する方向で検討。工業(場)等制限区域・準制限区域内の大学の設置についても抑制方針を撤廃する方向で検討する。
 また、国の認証を受けた第三者(認証評価機関)が定期的に評価し、一定の基準に達しているかどうかをチェック(適格認定)する制度を導入。大学全体を組織体として評価する機関別第三者評価について、各大学は認証評価機関による評価を受ける方向で検討するが、評価の実施スケジュールは第三者評価機関の整備充実の状況を考慮して定めることとなった。大学の専門性をさまざまな分野ごとに評価する、いわゆる専門分野別第三者評価については、特に高度専門職業人養成に特化した大学院に関しては認証評価機関による評価を受けることとする。
 このように大学の自主性・自律性を踏まえた事後チェックシステムに移行するため、法令違反の状態に陥った大学に対しては、改善勧告など閉鎖命令に至る事前の措置を導入する方向で検討することとなった。
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