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記事2002年4月3日 号 (4面) 
研究、研修活発に
日私教研の14年度事業計画
財団法人日本私学教育研究所(堀越克明理事長=堀越高校長)は、三月十二日、東京・市ヶ谷の私学会館で理事会・評議員会合同会議を開き、平成十四年度の事業計画等を決定した。新年度の事業計画の概要をみると。

全国私学教研を宮崎で11月に
未来型の研究開発事業も

 ▽研究事業=学校教育および学校経営に関する研究を主任研究員・専任研究員(六人)、研究助手(六人)、委託研究員(三十人)により行う。また客員研究員の増員を図る。さらにブロードバンド時代を迎えるなかで、次世代ITを活用した未来型の研究開発事業を関東地区の私立中学高校約三十校と行うほか、主任研究員、専任研究員等を中心にこれまで通り研究事業を進めていく。

 ▽研修事業=今年で五十回目となる全国私学教育研究集会を十一月六日から三日間、宮崎県宮崎市で開催、全国から八百人の私立中学高校の理事長、校長、教員らが参加する。研究目標は「感性豊かな人間を育てる私学教育」。
 また直轄研修会に関しては、私学経営や教育課程など十の教育課題やテーマを研究する研修会と、国語・日本文化や数学教育など九つの主として教科教育に関する研修会を開催(別表参照)する。全国から千八百六十人の教員らが参加する予定。
 地区別研修会に関しては、十四年度は北海道、東北、関東、中部、近畿中国の六地区で開催、全国で千六百七十人の教員らが参加する予定。
 そのほか都道府県別に研修会等が開催される。
 初任者研修会に関しては、全国を十二地区に分けて実施する。参加予定新規採用教員は小学校を含めて千三百五十人。また初任者研修の全国研修を十月下旬に、東京・八王子市の同研修所で開催し、全国から八十人の新規採用教員が参加する予定。さらに文部科学省の新規採用教員を対象とした洋上研修(八泊九日)では私学教員分として三十人の枠が確保された。このほか研修事業に関連して教育・経営相談事業、公開講座、個人研究生の受け入れ等を行う。

 ▽教育情報の収集・提供等=私学教育・私学経営に関する情報の収集とデータベース化を図る。ホームページ「私学教育ネット」の運営によって教育情報の収集・分析・創造・伝達・蓄積等を行う。またメールマガジンの発行、所蔵図書データベースの構築・運用する。
 ▽教育に関する図書・印刷物の作成・頒布等=紀要や調査資料、研修会報告、初任者研修会資料、広報などを発行、場合によっては市販化する。

補助減で財政状況厳しく
直轄研修会も再検討へ

 ▽その他の事業=私学教育総合センター施設を私学の教職員の研究・研修、生徒の学習会等のための利用に供する。同時に関係団体や企業等の利用に供して研究所の財政の一助にする。同施設の利用では企業の利用は増えているものの、その他の施設との価格・サービス競争も厳しくなってきている。こうした事業の一方で、文部科学省からの補助金がここ数年、毎年一〇%ずつ削減され、同研究所の財政状況が厳しさを増していることから、直轄研修会の再検討を行い、十五年度から新体制に移行する。
 こうした状況の中で、堀越理事長は、同研究所の将来計画を検討する委員会の設置を示唆、また同研究所の杉山克己所長も、同研究所の合同会議に先立って行われた中高連の合同会議で、「ピンチをチャンスに変える時期。全国二千校の私立中学高校にどういう形で寄与すべきか。教員の教育力を高めるためには何をすべきか。研究所の存在意義を示せるようなものを示したい」と語り、研修事業等の見直しに取り組む決意を明らかにした。
 このほか合同会議では、国公立学校で十五年度から「教職十年経験者研修」が新たに実施される予定にあること(教育公務員特例法の一部改正案が国会に提出済み)から、研究所でも対応策を検討し、要望を文部科学省に出してほしいとの意見も出席者から出された。
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