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記事2002年4月3日 号 (7面) 
新校長インタビュー (49) ―― 東京農業大学第一高等学校
校長 吉羽 雅昭氏
体験する実学教育を重視
授業五日制、学校六日制実施


 東京農業大学第一高等学校(吉羽雅昭校長、東京都世田谷区)の前身は学制改革によって廃止された旧制東京農業大学予科で、「質実剛健・自主独立」という同大学の校風は同校の校訓となって受け継がれている。
 「いかなる逆境にあってもそれを克服する不撓不屈の精神」「旺盛な科学的探究心と強烈な実証精神」「均整のとれた国際感覚と民主的な対人関係」という建学の理念は、「創始者、榎本武揚の生きざまと精神を反映したものといえます。この理念は二十一世紀を迎えても受け継がれています」(吉羽校長)。
 この建学の理念の下で、同校が積極的に推し進めているのが、実学教育の実践だ。
 「机の上で教科書から学ぶ授業だけではなく、外へ飛び出して実際に体験し、そこから生きた知識を学び吸収していくような体験学習を重視しています」
 この実学教育は校外学習となってさまざまな教科に表れている。
 作家や文学作品にまつわる名所・旧跡を回る「国語科文学散歩」、皆瀬川周辺で動植物の観察を行う「生物校外授業」、また各地の歴史的遺物や歴史的事件の現場などを訪問する「社会科見学会」などを実施している。
 同校は平成十四年度から「授業五日制、学校六日制」を導入する。月曜日から金曜日までは七時間授業を実施、土曜日はホームルームの枠を超えて生徒は各種講座に参加する。土曜日の講座は、さまざまな講座の中から生徒が自分の目標に従って興味・関心のある講座を選択して学ぼうというもの。「高校では人間形成を図ることは当然ですが、学校の果たす役割として学力をつけることも一層重視される」と吉羽校長。
 また同校の特色として、保護者との関係が両輪のような太い絆で結ばれていることが挙げられる。各種の文化講座を保護者対象に開催、社会探訪も教師と一緒に行っている。十四年度からパソコン教室も開くという。
 「生徒の三十年後を見て教育をすることが大事です。その時になっても生徒が戻って来ることができる学校、これが私学の良さだと思う。生徒と教師が一緒になってつくり上げることが、教育の原点と思う」
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