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記事2002年4月23日 号 (1面) 
大学に第3者評価制度導入へ
文科相に奉仕活動など4つの中間報告 中央教育審議会
設置認可事前規制を大幅緩和
法科大学院の基準も提案
 中央教育審議会は四月十八日、都内で総会を開き、「大学の質の保証に係る新たなシステムの構築について」など四つの中間報告をまとめ、遠山敦子文部科学相に提出した。このうち大学等の設置認可に関しては現行の国による事前規制を見直し、可能な限り規制を緩和、設置後に第三者による継続的なチェックで質の維持向上を図るという大学の自主性等を踏まえた制度への転換を提言。また設置審査の原則抑制方針の撤廃、法令違反への改善勧告等も提案している。(中間報告概要近く掲載)
 
 この日の総会でまとめた中間報告は、大学分科会内で審議してきた「大学の質の保証に係る新たなシステムの構築について」「大学院における高度専門職業人養成について」「法科大学院の設置基準等について」と、青少年・スポーツ分科会で審議してきた「青少年の奉仕活動・体験活動の推進方策等について」。
 このうち大学の質の保証に関する中間報告では、設置認可について、現在、授与している学位の種類や分野の変更で認可事項とするか、届け出事項とするかを分ける。変更がない場合は学部等大学の基本組織の設置であっても届け出となる。私立大学の収容定員増に関しても大学全体で純増する場合のみ認可対象とする。短大の学科に関しては、手続き等を簡素化しつつも認可事項とするのか、原則届け出とするかは引き続き検討する。現在、原則抑制の設置審査の取り扱い方針については、撤廃の方向で検討するが、大都市部での過当競争、地域間格差の拡大、医師、教員等の分野の扱いなどを検討する。
 そうした一方で、国の認証を受けた評価機関が自ら定める基準に沿って大学を評価、基準に達しているものについては適格認定を行い、大学はその結果を踏まえて改善を図るとの制度を導入して質の維持向上を図る。適格認定されなかった大学はそれを理由に国から直接行政処分を課されるものではないが、その修了が国家試験の受験資格等とつながる大学院は別途検討する。このほか法令違反状態の大学に対して改善勧告など措置の新設を検討する。
 中間報告に関して委員からは、第三者評価で不適格と二度三度認定された場合は厳しい措置が必要との意見が複数聞かれた。文部科学省は「質として不十分な大学は公表することで立ち行かなくなる」との考えを示し、当面は設置認可の取り消し、私学助成でのペナルティーは取らない考え。
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