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記事2002年4月23日 号 (2面) 
スーパーサイエンスハイスクール26校を内定 文部科学省
理系の優秀な人材育成へ
私学3校理科・数学を重視したカリキュラム実践
高大連携も積極的に
 文部科学省は四月十日、十四年度から理科と数学教育を重点的に行う研究開発学校「スーパーサイエンスハイスクール」の内定校二十六校を発表した。この中には私立の早稲田大学本庄高等学院、立命館高校、西大和学園高校の三校も含まれている。この事業は、理科系分野で将来有為な人材の育成を目指したもので、研究期間は三年間。予算額は約七億二千七百万円。研究開発学校ということで、理科・数学に重点を置いたカリキュラムの開発、大学や研究機関などとの連携方策、論理的思考力、創造性や独創性等を一層高めるための指導方法の研究等を行う。

 今回の指定には全国四十都道府県七十七校(公立五十四校、私立十五校、国立八校)から応募があり、研究内容や研究体制などを審査した結果、二十三都道府県の二十六校が指定されることになった。二十六校の内訳は、公立が二十校、私立が三校、国立が三校。国公私立別採択率(応募校数に占める指定校の割合)は公立と国立校が共に三七%、私立は二○%。
 私立高校三校の研究の概要は次の通り。
 ▽早稲田大学本庄高等学院(埼玉県本庄市)=高大一貫教育校での高校理数科教育の在り方を研究(全体的な学力アップと優れた才能を持つ生徒へのクラス分けとカリキュラム開発)、早稲田大学オープン教育センターとの双方向の遠隔講義、理数基礎学力の定点調査、「卒業論文」の義務付けと「総合的な学習の時間」との有機的な連携、夏休みに理科の基礎的な実験講座を周辺の小中学生を対象に実施、高校生を補助員として活用等。
 ▽立命館高校(京都府京都市)=中高一貫した研究開発の実施、中学一年から高校一年までを基礎教養修得プログラムとして位置づけ、意欲・興味・関心を高める。理数系選択者を対象に「先端科学研究入門プログラム」を開設(高校二・三年生対象、十四年度はマイクロマシンテクノロジー、メディア情報、マイクロプロセッサの設計、環境工学入門)大学レベルの科目の受講等大学教育との連続性を持たせ、入門、基礎、応用と発展していく学習・研究のプロセス構築、科学技術に携わる者としての倫理観や社会性を高める指導についての研究開発、生命倫理観を学ぶ学校設定科目「生命」を開設など。
 ▽西大和学園高校(奈良県北葛城郡)=二年次においてスーパーサイエンスクラスを設置し、理数系教育に重点を置いた先進的なカリキュラムと高大連携(京都大学等と)のスムーズな連携を可能とする数学・理科の独創的な教科指導法の研究開発(学校設定教科「先端科学」を中心に研究、理系学部進学希望者に明確な目標を持たせる進路指導法の研究開発など。そのほかの内定校は次の通り。

(公立)北海道立札幌北高校、宮城県第一女子高校、山形県立米沢興譲館高校、福島県立安積高校、群馬県立高崎高校、千葉市立千葉高校、神奈川県立柏陽高校、新潟県立長岡高校、富山県立富山高校、長野県諏訪清陵高校、愛知県立岡崎高校、京都市立堀川高校、大阪府立北野高校、兵庫県立姫路工業大学附属高校、岡山県立岡山一宮高校、広島県立広島国泰寺高校、愛媛県立松山南高校、高知県立高知小津高校、福岡県立修猷館高校、沖縄県立開邦高校

(国立)筑波大学附属駒場高校、東京工業大学工学部附属工業高校、京都教育大学教育学部附属高校
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