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記事2002年3月23日 号 (1面) 
一学級40人以下に
小・中学校設置基準4月に制定
自己点検評価して公表
支障ない限り他校等の施設設備使用可能
文部科学省は三月十二日、今年四月一日、新たに制定する「小学校設置基準」と「中学校設置基準」を公表した。国民からの意見聴取期間(三月二十五日まで)を経て正式決定となる。
 これまで小・中学校の設置基準はなく、学校教育法や学校教育法施行規則、義務教育諸学校施設費国庫負担法などが一体となって設置基準の役割を果たしてきた。また各都道府県で私立小・中学校の設置認可に当たっては、それら法令等のほか各都道府県が地域の実情に応じて設置認可審査基準を設けるなどしていた。
 しかし総理の諮問機関である教育改革国民会議や総合規制改革会議が報告や答申の中で、多様な教育機会を提供する観点から私立小・中学校の設置促進に向け小・中学校の設置基準の明確化を求めたことから、同省内で設置基準づくりの検討が続けられていた。
 文部科学省は今回の設置基準の新設に合わせて各都道府県でも私立小・中学校の設置認可審査基準の改正を期待している。ただし改正するかどうかは各都道府県の権限。文部科学省が定める校舎や運動場の面積は、ほとんどの県が定めている基準以内。新しく制定される小・中学校の設置基準の概要は次の通り。

(1)小・中学校は、学校教育法その他の法令の規定によるほか、設置基準により設置する。設置基準を最低基準と位置づけ、設置者は小・中学校の水準向上に努める。
(2)小・中学校は自己点検・評価及びその結果の公表に努めるとともに、積極的な情報提供を行う。
(3)一学級の児童(生徒)数は、原則として四十人以下とする。学級は原則として同学年の児童(生徒)で編制する。
(4)原則として一学級当たり教諭一人以上を置く。教諭等は他の学校の教諭等の職をかねることができる。
(5)施設設備等は、指導上、保健衛生上、安全上及び管理上適切なものとする。
(6)校舎及び運動場面積については、原則として別表に定める面積以上とし、校舎及び運動場は、原則として同一の敷地内または隣接する位置に設ける。
(7)校舎には少なくとも教室(普通教室、特別教室等)、図書室、保健室、職員室とともに、必要に応じ特殊学級のための教室を備える。また校舎及び運動場のほか、原則として、体育館を備える。
(8)学級数及び児童(生徒)数に応じ、指導上、保健衛生上及び安全上必要な種類及び数の校具及び教具を備えるとともに、常に改善し、補充する。
(9)特別の事情があるときは、教育上支障のない限り、他の学校等の施設及び設備を使用することができる。
 (9)に盛り込まれている「他の学校等」の「等」に関して文部科学省では、安定的に使用できる施設を考えており、学校以外の施設としては、市営など公共の施設や廃校となった施設などが想定されている。民間の施設も対象になるかどうかは都道府県の判断となる。また設備編制に係る事項に関しては、必要な周知期間を置くことにしており、自己点検・評価、情報提供に関しては、高校、幼稚園、専修学校、各種学校の設置基準等にも定める。


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