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記事2002年3月23日 号 (7面) 
新校長インタビュー (48) ―― 日本橋女学館中学校・高等学校
校長 樋口 修氏
地域との協力・連携
バランス感覚ある人間教育


 日本橋女学館中学校・高等学校(樋口修校長、東京都中央区)は明治三十七年、文化と経済の中心であった日本橋の地に創立された。開校以来、生徒の心に受け継がれているのは、建学の精神「質実穏健」だ。この精神の下に、樋口校長は(1)女子教育の先駆者としての自覚とほこりを持ち継続すること(2)同校の教育方針を広く外部に知ってもらうことを方針に挙げる。
 「学校は地域の中心であるべきだ。学校、家庭、それに地域とが協力・連携を取りながら活力ある学校を目指したい。そして、学社融合といえるかも知れませんが、学校教育力と地域教育力とがお互いに活用できればいいと思う」
 同校の目指す人間像は、建学の精神に表れている「よく学びよく働き、そして物の考え方が中立・公正でバランス感覚がある人間」。樋口校長は「どんな時代になっても女性としての特色を生かし、自立した女性として活躍できる人間を育成したい」と説明する。
 そのために今勉強している教科の本質は何か、これを勉強すると何の役に立つのかを生徒はしっかり認識することが必要だと指摘する一方で、同校では生活・情操面の教育に特に力を注いでいる。
 「最も重要なことは、日本の伝統文化を受け継ぐ行事を体験することを通して感謝の気持ちを培い、自分を飾り立てない豊かな感性や真の優しさを身につけることです」
 七夕、針供養、ひな祭りなど伝統的な行事には生徒は積極的に参加している。さまざまな機会を通して礼法も学んでいる。
 「人間としての自覚を持たせるための道徳が必要で、伝統的な行事を通して、日本の女性としてのアイデンティティーを確立させたい」
 学校法人日本橋女学館は日本橋学館大学(千葉県柏市)を有しており、今後は中高大の一貫教育に積極的に取り組む方針だ。中学校は小学校とより密接な関係を図り、高校は大学との連携を考えている。
 新学習指導要領については、私学として行わなければならないことを考え、学校の理念に基づいてどのように取り組むか方針を立てた上で、例えば「総合的な学習の時間」は「本校の教育課程の中でどこに位置付けるかを考える」と樋口校長は強調する。
 「子どもをどのように育てたいのか、この思いが教育の原点だと思う」
 同校では穏やかな心と豊かな感性を持った女性を育て、地域に根ざした学校を目指そうとしている。
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