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記事2002年3月13日 号 (7面) 
新校長インタビュー (47) ―― 育英学院サレジオ小学・中学校
校長 鈴木 正夫氏
教育理念“愛と理性と宗教”
少人数教育で知、徳、体重視
 育英学院サレジオ小学・中学校(鈴木正夫校長、東京都小平市)の校長室には、よく児童・生徒が訪ねて来る。バレンタインデーには、小学一年生の女の子二人がチョコレートのことで校長室にやってきた。
 「愛と理性と宗教」という三つの言葉で表現される同校の教育理念は、教師と子供との心の触れ合い、信頼関係や、優しさとなって、こんなところに表れている。
 「本校は子供が人間的に穏やかに成長する過程で、自分に自信を持つことができるように育てております。そのために、この子供なら人間的に成長し、自信を持たせてやることができると判断した子供を受け入れております」と、鈴木校長は基本的な教育方針を語る。
 子供たちを学力向上の面でサポートし、その子の持っている可能性を開花させることが、よき社会人として成長させる上で大事な手段と考えている。しかし、競争に勝つことだけが、人生のただ一つの目標ではないこと、それで人間の評価が決まるものではないことを、早くからしっかり教えていこうという狙いがここにある。
 十年ほど前に建てられた校舎は、子供たちにとって何がよい学校かの視点から追求した考え方が込められている。学校建築の一つのモデルケースとなっており、内外の学校関係者が校舎を見学に来るという。
 同校の最も大きな特徴は小学校が一クラス二十二人で、一学年一クラス(全六クラス)、中学校が一クラス三十人で、一学年一クラス(全三クラス)という、少人数教育が徹底していることだ。特に小学校は一学年が一つの棟として独立しており、六棟からなる。これは「それぞれの学年にとって、固有の空間が必要だ」(鈴木校長)という配慮からだ。
 また、人間教育の一環として、音楽、美術、体育を重視しているが、中でも子供たちが健康的な体をつくる意欲を抱かせるように働き掛けている。
 中学では全員が積極的に体育クラブに加入し、体力づくりに励んでいる。
 「人間として生きるための基本は体が強いこと、社会に出ても活力を持てること」(鈴木校長)という考え方に基づいている。小規模校でありながら、中学バレーは全国レベルの実力を持つ。
 「最終的には本人が自分に納得し自信を持つことで、そのためにも体力づくりは重要です」と鈴木校長は強調する。
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