こちらから紙面PDFをご覧いただけます。



全私学新聞

TOP >> バックナンバー一覧 >> 2002年2月3日号二ュース >> VIEW

記事2002年2月3日 号 (7面) 
新校長インタビュー (44) ―― 二松学舎大学附属高等学校
校長 神立 春樹氏
「温故知新」「知行合一」
一環した教育理念で人格形成


 二松学舎大学附属高等学校(神立春樹校長、東京都千代田区)は、東洋の学問・道徳・文化の確立を理想に掲げる三島中洲師によって明治十年創立された。
 それは、「温故知新」の精神と、陽明学でいう「知行合一」を基調とする二松学舎建学の精神となって現在まで受け継がれている。
 「温故知新とは人類が獲得してきた英知を学ぶこと、知行合一とは学ぶことは行うことという意味です」(神立校長)
 平成十三年四月校長就任の神立校長は、同校の卒業生で、岡山大学名誉教授であるとともに二松学舎大学国際政治経済学部教授でもある。
 「人生で十歳代半ばは子供から大人になっていく過程です。高校は中学校を終えた子供が、一人前の人間となって人生の次のステップへと成長していくところに位置する後期中等教育です」
 同校の目指す教育は「高校卒業後、大学に進学するにしても、就職して社会に出て行くにしても、一人前の人間になるには、第一には学力を伸ばし、知識を身につけていくこと、第二には自律的な人間としての人格を涵養すること」だ。
 この教育目標に沿って、カリキュラムは(1)一人ひとりの生徒の基本的基礎的な学力の充実を図ること(2)一人ひとりの生徒の個性や能力の伸長を図ることこの二点に留意して編成されている。
 これは、第三学年になると、第二学年での文系・理系のコース制に多くの選択科目が導入されているところに表れている。また、同校の特徴の一つは論語を全学年で必修としていることだ。時代を越えた普遍的な真理が存在する論語を通して、授業では「人としてどのように生きるのか」をテーマに、「人生のトレーニング期間であるこの時期に、よりよい人格形成のために学ぶ」(神立校長)。
 同校ではほとんどの生徒が進学を希望しているが、基本的基礎的な学力充実のために一、二年生を対象に冬期休暇前には大手予備校の講師を招き、英語、国語、数学の特別講習会を実施している。また、一年生を対象に夏期休暇には長野県・菅平で四泊五日の英語漬けの生活を体験する。三年生になると、実践的な能力を培うことを目的に演習や、学力が遅れている生徒などに対して補講を随時行っている。同校では十四年度から学校完全週五日制を実施する。
記事の著作権はすべて一般社団法人全私学新聞に帰属します。
無断での記事の転載、転用を禁じます。
一般社団法人全私学新聞 〒102-0074 東京都千代田区九段南 2-4-9 第三早川屋ビル4階/TEL 03-3265-7551
Copyright(C) 一般社団法人全私学新聞