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記事2002年2月3日 号 (2面) 
初任者集め全国研修会開催 日私教研
教員の心構え、指導向上
 財団法人日本私学教育研究所(杉山克己所長)は昨年十一月二十八日から四日間、東京・八王子市の私学教育総合センター(同研究所)で「平成十三年度私立学校初任者研修全国研修会」を開催した。研修会には全国から六十人近い新任教員らが参加、グループに分かれての受講や実習、防災センターでの実地体験、研究協議などを通じて私学の教員としての心構えを学ぶとともに、指導力の向上に取り組んだ。研修会最終日には、日本私立中学高等学校連合会副会長の二宮義人・広陵学園理事長が、「教育の実践に当たり思うこと多し」と題し、自らの戦争体験や莫大な借金を背負ってのどん底生活などからつかみ取った、あるいは教えられた人間として大切にすべきこと、教育者としての心得などを切々と語った。二宮理事長は、海軍航空隊の特攻隊(昭和二十年八月二十一日出撃予定だった)の経験からどんなことをしても戦争をしてはいけないこと、二十代のころ、現在の金額にして数十億の借金を背負い、四年間胸を患い入院する中で、弁護士に救われ、また入院中、人の情に触れ、自己中心的な生活を反省、他人への感謝や謙虚さを心に誓ったことなど波乱に満ちた人生の中で大切にしてきたことなどに言及。また教育に関しては学園が荒廃の中から立ち直った経験から、基本は人間教育であり、人間的な幅の広さ、深さこそが生徒たちをひき付けること、そつ(口卒)啄同時(ひなが卵の殻を破るのに合わせて親鳥が殻を叩いて手伝う・ころ合いを計る大切さ)の心、マンネリに陥らないように温故知新に徹すること(創業者の思いを素直にくみ取ること)など教師として大切にすべき事項を挙げ、参加した教員らに一層の研鑚を促した。四日にわたる研修では、同研究所の堀越克明理事長や杉山所長も私学の教員としての心構えなどを説いた。私立小・中・高校の新規採用教員に対する初任者研修は、各学校内での研修のほか、同研究所が文部科学省の補助金を受け、平成十三年度の場合、中学・高校では全国十二地区で、小学校では全国三地区で地区研修会を、そのほか全国研修会を開いている。

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