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記事2002年2月3日 号 (1面) 
通常国会提出予定の文教4法案
中高校教員による小学校での専科指導拡大
在職10年研修を創設
 一月二十一日に召集された第百五十四通常国会に提出予定の文教関係法案の概要が、同日明らかになった。それによると文部科学省関係の法案は、現在のところ、「国立学校設置法の一部を改正する法律案」(平成十四年度政府予算関連)、「教育職員免許法の一部を改正する法律案」、「教育公務員特例法の一部を改正する法律案」、「著作権法の一部を改正する法律案」の四本。このほか「文化財の不法な輸入、輸出及び所有権移転を禁止し及び防止する手段に関する条約の実施に関する法律案(仮称)」「大学の教員等の任期に関する法律の一部を改正する法律案」の提出が検討されている。

 このうち教育職員免許法の一部改正案、教育公務員特例法の一部改正案は、いずれも中央教育審議会が昨年十二月二十五日に遠山敦子文部科学大臣に提出した審議の中間報告「今後の教員免許制度の在り方について」の提言内容の制度化を図るもの。
 教員免許法の改正では、(1)中学校、高校の教員が小学校の相当する教科及び総合的な学習の時間の教授を担当できるようにする。これは児童の授業への興味関心を高めるため専科指導の充実を含め指導方法の多様化等を図るもの。また高校の専門教科等の教員が中学校の相当する教科及び総合的な学習の時間の教授及び実習を担当できるようにする。(2)教職経験を有する者が隣接校種の教諭の免許状を取得する際の要修得単位数を引き下げる(3)特別免許状制度(大学での養成教育を受けていない者に都道府県教委の行う検定により免許状を授与する制度)について、学歴要件の撤廃など授与要件の見直し、有効期限の撤廃などを行う。これまで学士の学位、有効期限五年から十年といった制約が足かせとなって社会人の活用が進んでいないためだ。(4)現職教員について、免許状の取り上げ事由等を見直し、懲戒免職の処分を受けた者の免許状は失効することとする。
 これは児童生徒等に対するわいせつ行為で懲戒免職された場合でも都道府県教委の判断で免許状が取り上げられないケースがあるほか、免許状を取り上げられた者でも二年で再授与を受けられることができるため、教員の適格性確保の観点から改正するもの。教育公務員特例法の改正では、国公立の小・中・高校等の教諭等の任命権者に、在職期間が十年を超えた教諭等に資質向上を図るために必要な研修の実施を課す。このほか国立学校設置法の一部改正案は、国立学校の統廃合などを行うもので、山梨大学、山梨医科大学を廃止し、山梨新大学(仮称)を新設し、図書館情報大学を廃止する。このほか四大学の短大部を廃止、沖縄に工業高専を新設する。
 著作権法一部改正案は、放送事業者及び有線放送事業者に送信可能化権を付与し、「実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約(仮称)」を締結するために必要な改正。
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