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記事2002年2月23日 号 (7面) 
新校長インタビュー (46) ―― 共立女子中学校
校長 蟹谷 栄一氏
誠実・勤勉・友愛を校訓に
6日制で中高一貫教育


 神田一ツ橋にある共立女子学園(東京都千代田区)のキャンパスには、中学校、高等学校、短期大学、大学、そして大学院があり、ここには六千人を超す生徒・学生らが学んでいる。同学園は明治十九年、「女子に専門的知識と高度の技術を修得させ、女子の自主性と社会的自立の育成」を建学の精神に掲げ、職業学校として創立された。この精神が「誠実・勤勉・友愛」という校訓として現在までに引き継がれている。
 共立女子中学校の蟹谷栄一校長は「中学ではしっかり基礎学力を身につけるとともに、人間教育を行うことが大切で生徒一人ひとりの個性を伸ばすことを重視し、早い時期から“自分探し”を行うことをさせています」と基本方針を語る。
 その一環として、中学三年の希望者と共立女子高校一年を対象に、卒業生を招いての講演会などを実施し、自分を見つめる機会を多く取り入れている。
 蟹谷校長のいう「個性の伸長」が高校で少しずつ開花しているようだ。高校三年生の進路が多岐にわたってきており、さまざまな大学や学部へ進学している。それに対応し、中学、高校とも独立性を保ちながら、学力に関しては連携を強めていき、生徒のニーズに合ったカリキュラムづくりを行っていく考えだ。
 そして、中学では教科、道徳、および生徒会活動や部活動などの特別活動をバランスよく保ち、六日制を堅持していくという。
 教科ごとに、新しい教科書の内容を確認し、現在の高校一年の一学期程度までの内容の教材作りを終了し、十四年度に備えている。これは「本校の生徒ほとんどが高等教育にも耐え得る基礎学力を中学時代に身につけ、女性の自立と実社会に役立つ女性の育成を目指す」(蟹谷校長)からだ。
 十四年度から始まる「総合的な学習の時間」は主に修学旅行、映画・演劇鑑賞会、美術館見学など主として学校行事で実施する。
 各教科では、ユニークな授業を展開している。美術科では全学年一学期間にわたって、コンピュータ・グラフィックを使ったデザインの授業を実施している。
 また道徳の授業の一環として、中学から高校まで「礼法」の授業もある。日常生活におけるあいさつや言葉遣いなどを学ぶことで人間関係の大切さを学ぶ。
 “共立型”の中高一貫教育を志向しながら、蟹谷校長は「人間教育を根本に置き、かけがえのない生徒一人ひとりの個性を大切にし、きめ細かな指導で、教育の可能性に挑戦していく」と意欲的だ。
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