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全私学新聞

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記事2002年12月3日 1874号 (1面) 
全審連が総会 認可基準見直しなど集中討議
教育内容等の情報公開進む
財務状況公開は自主的に
入学金返還問題は理論構築必要
 全国私立学校審議会連合会(酒井A会長)は、十一月二十八・二十九の両日、高知市内のホテルで総会を開き、十四年度の事業計画等を決めたほか、専門部会を開き私立学校や私学行政が当面する「小・中学校設置基準創設に伴う設置認可審査基準の見直し」や「国家試験等の受験資格が取得できない医療類似行為施行(術)者養成学校の設置認可」「私立学校の情報公開」「幼稚園と保育所の連携」等について情報交換・討議を行った。討議した内容のうち関係省庁等に要望すべき事項に関しては、年内にも要望書として提出、実現を求めていく方針。
 同連合会は、各都道府県の私立学校審議会(知事の公的諮問機関)委員で構成する団体。総会には各都道府県私学審議会委員、各都道府県私立学校主管課職員合わせて約二百五十人が出席した。
 私立学校や私学行政が当面する問題等については、(1)専修・各種学校関係(2)幼稚園・盲・ろう学校・養護学校関係(3)小学校・中学校・高校関係の三専門部会に分かれ情報交換・討議が行われた。
 このうち第三専門部会では、(1)私立小学校・中学校の設置基準(2)私立学校の「評価」「情報公開」に関しての具体的内容および方法の検討状況(3)私立学校設置認可基準等の見直し状況(4)複数受験に関する入学金、授業料等の納付金返還問題(5)中高一貫教育校の設置・検討状況(6)私学審議会の構成員問題が議題となった。
 このうち(1)(2)(3)に関しては、新しく設けられた設置基準に合わせて自県の設置認可審査基準を緩和した、緩和する方向で検討しているとの報告が多く聞かれた。また情報公開に関しては、教育内容ではオープンキャンパスや進学相談会等を通じて広く情報提供が行われているが、財務状況に関しては、資産や負債状況等が面白く取り上げられては学校の経営を大きく左右しかねないなどとして、一定のルールの下に限度をもって自主的に公開提供されるべきものとの意見が多く聞かれた。
 (4)に関しても県によって対応が分かれており、「公立学校の併願者については入学金を含めて公立学校の合格発表まで入学手続きを待って徴収してほしいとの行政側の要請に八五%の学校がこたえている」「公立や他の私立併願者にはそれらの学校の合格発表前に予納金を納めさせているが、それをゼロに近づける努力をしている」「予納金のため全般的に授業料が低く抑えられている」「予納金は学校によって五千円から四万円までさまざまで、入学後は入学費用の一部となる」などの報告が聞かれた。その一方で「(前納は)入学者数の把握に結びついている。すぐには改まらない」「受験料を払って受験しなかった者には受験料を返還する必要があるのか」「法律問題となったので、理論的な研究が必要だ」との声も聞かれた。このほか都道府県が私立学校をまねる形で公立中高一貫校を次々設置している問題に関しては、国公私立学校間の学費格差の是正(財政的に同一の条件)が急務であることなどが強調された。
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